【Adjustable-Pitchプロペラ】上空でプロペラの角度を調整できるようになった!

【Adjustable-Pitchプロペラ】上空でプロペラの角度を調整できるようになった!

Fixed-Pitchプロペラと比べて、Adjustable-Pitchプロペラは、部品が多くパイロットとしても、プロペラの回転数のコントロールも増え、大変だと思っていませんか?

しかし、ガバナーというプロペラrpmを制御する装置が発明されてから、とても簡単になりました。

今回は、上空でプロペラのピッチ角度を調整できる、Adjustable-Pitchプロペラについて見ていきたいと思います。

Adjustable-PitchプロペラとConstant-Speedプロペラの関係性

Constant-Speedプロペラの先駆けとなったのが、Adjustable-Pitchプロペラです。

初めの頃のAdjustable-Pitchプロペラは、プロペラのピッチ角度を地上で調整することができるだけで、上空では調整不可でした。

なので、地上だけで調節できるという意味を込めて、「Ground Adjustableプロペラ」とも呼ばれていました。

現在のような上空でもプロペラのピッチを調整できるものは、1930年代になって開発されました。

しかし、ピッチ角を調節すると言っても、「High」と「Low」の2パターンしかありませんでした。

しかし、開発が進み現在では、より幅広くセッティングすることができるようになりました。

Contant-Speedプロペラ

Constant-Speedプロペラは、Adjustable-Pitchプロペラに分類されます。

プロペラ回転数の制御が簡単で、安価なので多くの小型機に採用されています。

ガバナーの開発により実現され、それにによりプロペラのピッチ角を調整してプロペラの回転数を、パイロットの代わりに自動的に一定に合わせてくれます。

Constant-Speedプロペラの強みは、幅広い飛行速度帯とRPM帯で、効率よく「BHP:Brake Horsepower」を「THP:Thrust Horsepower」に変換することができます。

最適の回転数を絶えず自動的に調節してくれるので、他のどんなプロペラのタイプよりも効率的です。

パイロットは、プロペラの角度を調整する必要がないので、Constant-Speedプロペラを搭載している機体では、青色のプロペラレバーはコックピットについていないです。

Constant-Speedプロペラのコントロール

真ん中の青色のレバーが、プロペラrpmを調整するレバー

Constant-Speedプロペラのコントールは、「スロットル」と「プロペラ」のコントロールで行われます。

スロットルコントロール(写真の黒色レバー)は、エンジンの出力を調整し、プロペラのコントロール(写真の青色レバー)は、エンジンrpmを調整しています。

これらにより、プロペラrpmが決まり、タコメーターでその値を表示します。

パイロットが所望のrpmを選択したら、その回転数になるようにガバナーがプロペラの角度を調節します。

上昇から水平飛行に移る時には、プロペラにかかる負荷が減ります。

重たいものを上に引っ張る力が、水平飛行に移ることにより要らなくなるためです。

何もしなればプロペラにかかる負担が減った分、プロペラrpmが速くなろうとします。

しかし、ガバナーがプロペラにかかるロードが軽くなったり、プロペラの対気速度が速くなるのを感知して、ブロペラのピッチ角度を変え、より負担がかかる角度になるよう調節することでrpmは一定に保たれ、効率よくエンジンのエネルギーを推進力に変換することができます。

逆に、プロペラにかかる負担が増えてきたら、ガバナーがプロペラの角度を浅くすることにより、より力強く空気をかくことができます。

Constant-Speedプロペラのレンジは、どの幅でブレード角を調節できるできるか示しています。(Low PitchからHigh Pitchの間)

この幅の中であれば、自動的に同じ回転数を保つことができます。

しかし、この調整可能な幅を超えてしまうと、rpmは速くなりすぎたり遅くなりすぎたりしてしまいます。

飛行速度が速くなると、プロペラの角度は空気をより後ろにかける側に調整されます。

もしピッチの調整角度を超えてしまう変化が起きると、Lowest PitchまたはHighest Pitchを維持します。

プロペラrpmを自動で調節することができなくなるので、シャフトでつながっているエンジンのrpmもどんどん速くなってしまうでしょう。

まとめ

Fixed-Pitchプロペラよりも、Adjustable-Pitchプロペラの方が、飛行速度やプロペラ回転数に幅を持たせることができることがわかりました。

プロペラの角度の調整をするとなると、各プロペラごとに1本のプロップレバーが増えます。

それを操作するパイロットへの負担が増えてしまいますが、Constant-Speedプロペラのようにピッチ角の調整を自動でやってくれると、とても助かります。

世界で初めてガバナーを発明した人は、とてもプロペラ機のパイロットのワークロード軽減に貢献したことでしょう。

 

【参考文献】

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