パイロットはATCの指示に従って空を飛びます。
飛行ルートの承認や、速度調整を受けることもあります。
現段階では、ATCとのコミュニケーションは航空無線を使って行われています。
電波を飛ばす機器を操作するときは、電波法の規定に従います。
航空機に無線機局が搭載されており、それを操作して電波を飛ばすには免許が必要です。
パイロットに関係していくる無線の資格は2つあります。
今回は、「航空特殊無線技士」と「航空無線通信士」の2つをご紹介します。
航空特殊無線技士
2つある資格のうち、比較的取得が簡単な下位資格が航空特殊無線技士です。
航空運送事業のように供する航空機を除いた、航空機の無線設備を操作する事ができる資格です。
なので、自家用操縦士になるための訓練で必要になるでしょう。
もちろん、上位資格である航空無線通信士を取得してしまっても問題ありませんが、「航空特殊無線技士」の方が合格率が高くなっているようです。
【受験資格】
- 特に規定なし。
【取得方法】
- この資格の取得方法は2つあります。1つ目は、年3回ほど試験が行われているので、受験して合格する事です。2つ目は、養成過程に参加し、修了試験に合格すれば取得可能です。
【合格率】
- 合格率は「74%」ほど。
(参考:航空特殊無線技士|JQOS )
【概要】
- 年間試験回数:2月、6月、10月
- 受験料:5,463円
- 試験科目:
- 無線工学(12問/1時間)
- 法規(12問/1時間)
- 電気通信術(送受信50字/2分)
【合格基準】
- 無線工学:40点以上(60点満点)
- 法規:40点以上(60点満点)
- 電気通信術:80点以上(100点満点)
【養成課程の受講時間】
- 無線工学:5時間以上
- 法規:11時間以上
- 電気通信術:2時間以上
航空無線通信士
将来エアラインパイロットを目指したいなど、航空運送事業に進みたいと考えている人は、必ずこの資格を取得しなければなりません。
航空特殊無線技士を取得せずに、いきなりこの上位資格を狙っても問題ないでしょう。
また管制官になりたい方も必要な資格となります。
【受験資格】
- 誰でも受験可能。
【取得方法】
- こちらの資格も、国家試験に合格するか養成課程に参加し、修了試験に合格する事で取得可能です。
【合格率】
- 合格率は「42.2%」ほど。
(参考:航空無線通信士|JQOS )
【概要】
- 年間試験回数:年2回(2月下旬頃、8月上旬頃)
- 受験料:9,063円
- 試験科目:
- 無線工学(14問/1時間30分)
- 法規(20問/1時間30分)
- 英語(会話・筆記)(12問/1時間30分)
- 電気通信術(送信・受信の実技)
【養成課程の受講時間】
- 無線工学:23時間以上
- 法規:25時間以上
- 英語:50時間以上
- 電気通信術:2時間以上
【合格基準】
- 無線工学:49点以上(70点満点)
- 法規:70点以上(100点満点)
- 英語:60点以上(105点満点)
- 電気通信術:80点以上(100点満点)
【過去問】
- 公益財団法人日本無線協会
↑こちらのページで、過去問をゲットする事ができます。
まとめ
パイロットが日本の空を飛ぶには、「航空特殊無線技士」か「航空無線通信士」の資格が必要である事がわかりました。
空は世界とつながっており、外国の飛行機も日本に多く飛来してきています。
なので、通信に使われる言語は世界共通後である英語が基本です。
外国の飛行機との意思疎通や情報共有ができないと、とても危険ですよね。
日本語と英語の発音は大きく違うので、日本人がネイティブの英語を聞き取るには耳を英語に慣らさないといけないでしょう。
上達に時間のかかるヒアリング力を上げるために、試験の過去問や航空無線をなどを使って、普段から聞き流しをしておくといいでしょう。
特に日本の無線英語は、ほぼ決まったフレーズなので覚えてしまうと比較的耳に入ってきやすくなります。
ちなみに、どちらの資格も科目合格制度があり、合格基準に達した科目は次回受験時に免除されるので、たとえ1度失敗してしまったとしても、諦めずに努力を続けましょう。
【参考文献】
- 公益財団法人日本無線協会
- 航空特殊無線技士|JQOS
- 航空無線通信士|JQOS