【生理学】サーカディアン・リズムとは?

【生理学】サーカディアン・リズムとは?

サーカディアン・リズムは日本語で「概日リズム」と言い、英語では「Circadian Rhythm」と書きます。

「サーカディアン」はラテン語で、

  • サーカ:約、だいたい、おおよそ
  • ディアン:1日

を表しています。

また一般的には、「体内時計」「生物時計」「生体時計」とも呼ばれており、人の「おおよその1日」を体内時計で知ることができます。

人はこの体内時計がある事で、ある時間になると目が覚め、ある時間になると眠たくなります。

【生理学】サーカディアン・リズムとは?

先ほどの通り、「サーカディアン」は「おおよそ1日」なので24時間ではない人が多いです。

人間のサーカディアン・リズムは24〜28時間と言われています。

また、多くの人は24〜25時間の間に収まっています。

ご存知の通り1日は24時間なので、サーカディアン・リズムが24時間より長い人が多くいるので、どんどん実際の時間の進みと体内時計がずれていってしまいます。

しかし、規則正しい生活をしている人の多くは、1日24時間の生活に体を合わせることができています。

サーカディアン・リズムが影響するのは、「眠くなる時間」や「起床時間」だけではなく、「脳波」「ホルモン分泌」「細胞再生」「食事のタイミング」「体温」などにも影響を与えます。

人間が体内時計をリセットできるのは、「同調因子」と言うものがあるからです。

同調因子とは、1日24時間という現実と人間のサーカディアン・リズムとを同調してくれるものです。

【同調因子】

  • 光の明暗:昼夜、起床後に太陽光やライトを浴びる
  • 時計など時間がわかるもの
  • 食事
  • 環境:温度、湿度、騒音、振動など
  • 身体的運動
  • 社会的因子:
    • 家庭:ゴミ出し
    • 会社:出勤、仕事
    • 学校:通学

この同調因子により、人間の体内時計はリセットされ、サーカディアン・リズムと実際の時の流れのズレを解消してくれます。

この同調因子を使うことで、人間が持っているサーカディアン・リズムを早める方向に作用させることができます。

逆に、「夜の強い光」や「ブルーライト」はサーカディアン・リズムを遅らせる方向に働きます。

なので、夜寝る時間に携帯やテレビなどブルーライトを浴びてしまうと、寝なければいけない時間に眠くならなくなってしまいます。

体内時計はどこにあるの?

視床下部|by Life Science Databases(LSDB) CC-BY-SA-2.1-jp

哺乳類の体内時計は、視床下部の視交叉上核(しこうさじょうかく)にあります。

視交叉上核は、英語で「Suprachiasmatic nucleus」と呼ばれ、「SCN」と略されます。

【視交叉上核の詳しい場所】

  • 視床下部の前方
  • 視交叉の背側(直上)
  • 第三脳室の左右両側に一対

(※上図の赤い場所参照)

まとめ

サーカディアン・リズムが崩れると、睡眠以外にも大きな影響を受けてしまうことがわかりました。

毎日リセットしてあげないと、人間の生活リズムは後ろにずれてしまうこともわかりました。

学生などは、寝る前に携帯などをいじって、どんどん寝る時間が遅くなり、起床時間も遅くなってしまうのも、サーカディアン・リズムの崩れが原因のようですね。

一度サーカディアンリズムが後ろにズレ過ぎてしまったのであれば、無理に戻そうとしないでもっと遅らせれば一周回り、また規則正しい生活になりそうですね。

また、地球の自転の変化や他の惑星への移住で、1日25時間にすることができれば、多くの人が苦労せずに規則正しい生活を送ることができるようになるかもしれないですね。

 

【参考文献】

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