【フライトコンピューターの使い方】Radius of Actionの求め方

【フライトコンピューターの使い方】Radius of Actionの求め方

Radius of ActionのRadiusとは、「半径」という意味です。

ある飛行機が、決められた燃料を積んで、決められたコースを直線飛行します。

その際に、どこまでいったら引き返さなければ燃料が足りなくなるか計算する問題です。

どこまでの単位は、時間や距離で表します。

通常、200分飛行できる燃料を積んだ飛行機は、100分飛行した際に引き返せばいいと思うかもしれませんが、風の影響で行きと帰りのGND Speedが変わる所に対応しないといけないのです。

 

それでは、問題です。

 

次の条件の時、燃料切れになる前に出発空港に戻るには、どのぐらいの時間と距離を飛行したら引き返さなければいけないでしょうか?
  • True Course (TC) Outbound : 060°
  • True Airspeed (TAS) : 120kt
  • 風向風速 : 052°/30kt
  • 使用可能搭載燃料:48 gal (ガロン)
  • 機体の燃料消費量:6 gal/h

※ 上昇中、降下中、旋回中の燃料消費、最低搭載燃料等は考えないものとする。

 

問題を解く順番のコツは、「引き返す時間」を計算してから、「引き返す距離」を見つける順番にやることです。

早速フライトコンピューターで計算してみましょう。

マニュアル航法計算盤

  1. まず、True Courseを行き帰りともに計算してしまう
    1. 行き : 060°
    2. 帰り:240° (行きは問題で与えられたコースを使い、帰りは行きの180°逆に帰ってくるので、180を行きに足す)
  2. 風向風速:052°/30ktのマーキングをする
  3. 行きのTC 060°をTrue Index(上の三角形)に合わせる。行きのGND Speedが90ktとわかるのでメモをしておく。
  4. 同じように、帰りのTC240°を合わせ、帰りのGND Speedが150ktとわかるのでメモしておく。
  5. 6gal/h消費するので、Aスケールの60をBスケールの黒色矢印(Bスケールの60)を合わせる。48gal積載しているので、Aスケールで48を見つける。Bスケールが答えなので、8時間飛行可能とわかる。
  6. ③と④で出した行き帰りのGND Speedを足す:(90+150=240kt)
  7. ⑤のTotal GND Speed 240ktをAスケールに、➂で出した時間(8時間)を合わせる
  8. Aスケールで15 (帰りのGND Speed : 150kt)を探し、B or Cスケールが答えです。(300もしくは、5時間のところで引き返さなければならないとわかりました)
  9. 【ここからは距離を計算】90 (90kt)をAスケールで見つけ、黒色矢印(Bスケールの60)で合わせる。5時間(Bスケール)を見つけ、Aスケールが距離の答えです。450nmと出ました。【ここまでで問題の答えは出揃いました】
  10. 【帰りの距離を出して確認してみる】15 (帰りのGND Speed : 150kt)と、Bスケールの黒色矢印を合わせる。⑨で出した、450nmの45をAスケールで探し、Bスケールを見てみる。180分もしくは、3時間であるとわかる。よって、行きが5時間(⑧で出した答え)と、帰りが3時間(⑩で出した)を足すと、合計が8時間になり、⑤で導き出した8時間とぴったり合うことでしょう。

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