【飛行機のエンジン】スターティングシステムってどうなっているの?
一昔前は、「ハンドプロップ」と言って、手でプロペラを回してクランキングの代わりをしていました。
急にプロペラが回り出して危険ですし、プロペラの回転するエリア内に腕が入っていたら、切断されてしまう危険性があります。
なので最近の多くの小型機は、電気を使用してクランキングをします。
エンジンスターターの構成
システムの構成は:
- 電源
- 配線
- スイッチ
- スターターモーターに使うソレノイド
です。
最近の飛行機は、エンジンスタートするときに自動的にスターターがセットされ、エンジン点火後スターターが必要なくなったら、自動的にエンジン駆動システムから切り離される仕組みになっています。
一昔前の小型機では、コックピットにスターターのレバーが取り付けられており、それをパイロットが手動でセットしたり切り離したりしていました。
エンジンスタート時に、スターターのギアがフライホイールのギアと噛み合わされます。
そして、エンジン点火に必要な回転数までモーターを使用して回転させます。
スターターの動き
スターターの電源は、機体に搭載されているバッテリーを使用することが多いです。
また、地上電源が装備されている空港では、地上から電気をもらってスターターを駆動させることも可能です。
バッテリースイッチをオンにすると、電気がバッテリーからメイン電源バスに供給されます。
スターターとスターターのスイッチは、メイン電源バスとつながっています。
スタータースイッチがオンポジションにされ、ソレノイドに通電しないとスターターは回転しない仕組みになっています。
スタータースイッチがオンポジションでなくなると、スターターに電気が供給されなくなり、スターターモーターの回転が止まります。
エンジンが点火され回転数が速まり、スターターの最大回転数を超え故障しないように、クラッチが取り付けられています。
ある一定以上の回転数になると、自動的にスターターのクラッチが切り離されます。
エンジンスタート時の注意点
エンジンスタートするときには、危険が伴います。
飛行機のオペレーションでは、安全が第一です。
特に、プロペラ周りに人がいないことを確認してからエンジンスタートをしましょう。
また、脚の状態を事前に検査したり、ブレーキをかけた状態でスタートをしましょう。
一度エンジンがかかりプロペラが回転し始めると、後方に風を送ります。
なので、地面のゴミや小石などを巻き上げ、後方にある機体や建物にダメージを与えないかの配慮も必要です。
必要ならば、トーイングでエンジンスタートの場所を変えたり、空港内のエンジンスタートしても良い場所で行いましょう。
まとめ
アイドル状態のプロペラでも、とても速い回転数です。
電気スターターがない時は、手回しでエンジンをかけていたとは恐ろしいですね。
何事も安全第一で、誰も怪我をしないように飛行機のオペレーションができると良いですね。
今回は、エンジンスターティングシステムについてご紹介しました。
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【参考文献】