飛行機のギャレーって何?カート1個の重さって何kgあるの?
ギャレーって言葉聞いたことありますか?
あまり飛行機で旅行をされない方だと、知らない方もいらっしゃるでしょう。
今回は、飛行機に全く乗らない方のために、ギャレーに関する豆知識をご紹介します。
ギャレーとは?
飛行機のギャレーとは、乗客に提供する食べ物の準備や、簡単な調理をするところを指します。
ギャレーは、飛行機だけではなく、船や列車でも使われている言葉です。
長距離国際線などでは、機内で食事が提供されます。
多くの場合は、「チキン or ビーフ」など、2種類から選ぶ事ができます。
乗客に提供される食事は、ケータリング会社があらかじめ地上で作って、専用カートに乗せて、カートごと機内に搭載されます。
機内に搭載されたカートは、ギャレーの下にあるスペースに収納され、しっかりと固定されます。
ギャレーは、前方、中央、後方などいくつかに分かれており、機体の大きさで違います。
ちなみに、旅客機の中で小型なエアバスA320は前方と後方のギャレーしかありません。
ギャレーの歴史
昔は火器厳禁の機内では、地上での食事のように温められた物は食べる事ができませんでした。
唯一温かい飲み物といえば、魔法瓶に入れらたコーヒーだけでした。
1950年代後半から、コーヒーメーカーや食べ物を温めるオーブンがついたギャレーが誕生し、機内で暖かものが提供されるようになりました。
それにより、提供される食事のバラエティが豊富になり、現代では一流ホテルのシェフが監修した食事も提供されるようになり、より快適な空の旅を満喫する事ができるようになったのです。
カートの重さは?
食事を搭載したカートは、ケータリング車を機体に横付けして、右側から搭載されます。
保冷機能がついたカートなどもあり、カートの重さは最大で1つ150kgになる事があります。
気流の乱れなどで、150kgのカートが上空で機内を飛び回っては、とても危険です。
なので、ギャレーにストッパーが取り付けられており、使わない時はギャレーにカートを戻し、ストッパーでしっかりと機体に固定されています。
ちなみに、カートがメンテナンスなどで搭載されていないときは、カートを抜いた重さでウェイトアンドバランスが計算されます。
カートの中身(食事意外)
先ほども触れたように、カートの中には食事が入れられている事が多いです。
しかし、全てのカートに食べ物が入っているわけではありません。
このカートには「Emergency Equipment Only」と書かれています。
見えづらいかもしれませんが、その文字の左下に「ボートに人が乗った図」が描かれています。
このボートのような乗り物を「ラフト」と呼びます。
緊急脱出に使う、「エスケープスライド」も空気で膨らみ、水に浮く仕組みになっています。
ラフトも非常時に海に投げ込むと、自動的に膨らむ仕組みになっております。
タイプによりますが、約25人程度収容可能です。
屋根も取り付ける事ができるものもあるので、雨や日差しから人を守る事ができます。
このように、カートの中には食事だけではなく、ラフトが入っているものもあるのです。
ちなみに、これはエアバスA320の後部にあるギャレー(アフトギャレー)に収納されたカートです。
まとめ
安全上どうしても火が使えない機内ですが、スチームオーブンなどにより暖かいものが食べられるようになったのは、大きな進歩ではないでしょうか。
ちなみに、150kgもあるカートをいくつも固定しておかなければいけないギャレーの強度は、約9Gに耐えられるよう頑丈な設計になっているそうです。
単に強度を増せばいいのではなく、いかに軽量に設計できるかがオペレーションコストの削減に左右するところでしょう。
今回は、ギャレーについての豆知識でした。
【参考文献】
- Life Raft (T25), FAA Type I, 25-Man
- うちの台所とどう違うの?空飛ぶキッチン、ギャレーのお話
- 「ギャレー」(2019年9月23日 (月) 04:47 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』