【建造物】東京ゲートブリッジの形と飛行機のルートの関係性について
2012年2月に開通した東京ゲートブリッジは、まるで恐竜のようですね。
2匹の恐竜が向き合っているかのようなので、恐竜橋と呼ぶ人もいるそうです。また、LED照明が886基も取り付けられており月によってライトアップの色が違います。
今回は、東京の新名所にもなった東京ゲートブリッジがなぜあのような形になったのか見ていきましょう。
東京ゲートブリッジ
東京ゲートブリッジは、東京湾と街並みが一望できることで有名です。
プロジェクトの開始は2002年までさかのぼり、事業期間は約10年に及び、総事業費は約1,125億円かかりました。
陸・海・空の道
その全長は約2.6kmにも及びます。大田区と江東区を繋いでおります。具体的には東京臨海道路の橋として、江東区若洲と中央防波堤外側埋立地にまたがっています。
車線は4車線あり、天候が悪くならない限り多くの車を毎日通行させております。
また、橋の下は大型船舶が通過します。そのため、桁下の高さを54.6m以上を確保しなければならないのです。
さらに、羽田空港に近いので制限表面に引っかかり、航空法で橋の高さを98.1m以下にしなければならなかったのです。(東京ゲートウェイブリッジの高さは87.8m)
なので、レインボーブリッジのような高い柱が必要な吊り橋としての建設はできませんでした。トラス構造という三角形を組み合わせることにより、力を分散して強度を増すことができる構造が導入されました。
制限表面
飛行機がアプローチしたり、ゴーアラウンドするときに高い建物があると何か不測な事態があった時などビルに突っ込んでしまうかもしれません。
なので、空港に近い地域ではあまり高さのある建物が建てられないのです。
国土交通省によると:
【東京都】
大田区、品川区、港区、中央区、江東区、江戸川区、葛飾区、目黒区、渋谷区、千代田区、墨田区、足立区、台東区
【神奈川県】
横浜市、川崎市
【千葉県】
市川市、浦安市、船橋市、袖ヶ浦市、木更津市、習志野市、市原市、君津市、富津市
の地域が該当します。制限表面は、下図のようにすり鉢状になっています。
東京ゲートウェイブリッジは、羽田空港のB滑走路の進入経路に重なっているため、進入表面に引っかかって飛行機の邪魔をしないように考慮しなければならなかったのです。
まとめ
東京ゲートウェイブリッジが、恐竜2匹が向かい合った形になったのは、海と空の交通による制限がかかったためです。
橋を作る際に、高すぎても低すぎてもダメという制限はとても大変だったことでしょう。今回使われたトラス構造は、古くからある歴史ある構造だそうです。
天気が良ければ橋越しに、スカイツリーや飛行機のアプローチ、また富士山を眺めることができます。
昔の人の知恵も借りて、厳しい制限をクリアできて完成した、東京の新しい名所に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。