飛行機の無線が聞きたいを叶えるLiveATC.netのすすめ
LiveATC.netとは?
LiveATC.netを利用して、世界中のATCを生で聞くことができます。
通常ATCはVHF電波で行われるので、空港のATCを聞きたいのであれば、空港の近くに受信機を持っていくか、とても大きなアンテナを建てなければなりません。
どんなに大きなアンテナを立てたところで、地球の裏側の空港のATCを受信することは難しいでしょう。
しかし、LiveATC.netというサイトでは、世界中のATCを無料で聞くことができるのです。
パイロットも暇なときに使う
パイロットの業務の一つとして、ATCコミュニケーションがあります。パイロットと管制官の通信を無線機にて行います。
しかし、無線機を使用しての交信だと、飛行機の雑音やタスクが重なり聞き取りづらくなってしまいます。
なので、休みの時など地上で無線を聞く練習をしておくと、とてもスムーズにATCコミュニケーションが取れるようになります。
特に訓練が始まったばかりの訓練生は、ATCコミュニケーションで苦戦する人が多いようです。
さらに、天気が悪い時の羽田空港や沖縄那覇空港ではATCがひっきりなしに入ってきます。
無線が次から次へと入ってくるので、割り込む隙がありません。一回ATCからの指示を聞きそびれてしまうと、着陸の順番が後回しにされてしまうこともあります。
何度もATCを聞き返していると、電波占有時間が長くなってしまい、プロとは言えないでしょう。
また、無線に参加するには免許が必要ですが、受信機で無線を聞くことは誰にでもできます。飛行機の写真を撮られる方も、どの機体がアプローチしているのか聞いている方がいらっしゃいます。
市販でもエアバンド用の無線機が販売されております。これを持っていると、空港の付近で、タワー、デパーチャー、アプローチなどの周波数でパイロットとATCのコミュニケーションを聞くことができます。
Amazon: アイコム IC-R6 エアーバンドスペシャル
こんな無線受信機を購入したり、空港の近くに出向かなくてもATCを聞くことができるアプリはとてもオススメです。
使い方
例として、羽田空港でATCを聞いてみる手順をご紹介します。
1.まず初めにLiveATC.netのサイトに行き、左上Airport/ARTCC Codeに「RJTT」と入力します。
2. RJTTと入力したら、下のような画面になります。緑色の「Listen」と書かれた四角いボタンを押すと、聞くことができます。
- RJTT App/Dep – アプローチとデパーチャーが聞ける
- RJTT Approach – アプローチだけ聞ける
- RJTT ATIS – 空港の気象情報が聞ける
このように、使い方は特に難しく無いです。どの管制機関を聞きたいのか決めて、Listenをクリックするのみです。
その下にはFrequencyも記載されているので、いくつかApproachのFrequencyを持っている空港では、どれが現在使われているのか聞いてみればわかります。
滑走路が2本ある空港では、ライトとレフトの滑走路でデパーチャーの周波数が違います。
国土交通省のホームページで、航空会社ごとのコールサイン一覧がまとめられており慣れないうちはこれを見てみてもいいでしょう。
- 航空無線の基礎知識
- 出発編・管制塔
- 出発編・レーダー管制室
- 到着編・レーダー管制室
- 到着編・管制塔
4文字レター一覧(メジャー空港)
RJCC | 新千歳空港 |
RJFF | 福岡空港 |
RJTT | 羽田空港 |
RJOA | 広島空港 |
ROIG | 板垣空港 |
RJOO | 伊丹空港 |
RJOK | 高知龍馬空港 |
RJSN | 新潟空港 |
RJBB | 関西国際空港 |
RJFR | 北九州空港 |
RJFM | 宮崎空港 |
RJFT | 熊本空港 |
RJFK | 鹿児島空港 |
RJOM | 松山空港 |
RJGG | 中部国際空港 |
RJFU | 長崎空港 |
RJAA | 成田空港 |
RJFO | 大分空港 |
ROAH | 那覇空港 |
RJSS | 仙台空港 |
RORS | 下地島空港 |
RJOT | 高松空港 |
LiveATC.netとFlightradar24との組み合わせ
LiveATC.netでATCを聞いただけでは、どこを飛行機が飛行しているのかわからない人が、ほとんどだと思います。
そんな時は、Flightradar24と組み合わせて使用すると、よりわかりやすいです。
これは、私がLiveATCを聞いていた時の実際のやり取りです。1件ご紹介します。
釧路を出発したエアードゥ72便が羽田空港RWY34Rにアプローチをしていました。
LiveATC.netで東京アプローチを聞いていたら、コンタクトタワーと言われました。この時、AirDo72便はどこにいたのかと言うと、下の写真のところにいました。
このように、1つの機体を追いかけてみても面白いでしょう。二つのアプリを組み合わせることにより、実際にどの辺りで周波数を変更するように言われるのかわかります。
日本の空域はいくつかに分かれているので、どこで周波数を変えるように言われるのか予想がつけば、そのときに耳をすませておくなど準備ができますね。
まとめ
趣味で聞いている人から、パイロットの卵として、自分のATCコミュニケーションスキルを高めようと努力している人まで、LiveATC.netを使う人は様々です。
このサービスが提供されるまでは、自分の近くの空港や航空路を飛行する機体のATCしか聞けませんでした。とても便利な社会になったと言えるでしょう。
初めはコールサインと航空会社を一致させるのが難しかったり、何を言っているのかわからないと思います。
しかし、英語のリスニングのように聞き流していると自然と耳が単語を拾うようになってきます。
もし、あなたがパイロットを目指し、ATCコミュニケーションを高めたいと思っているのであれば、毎日聞く必要があるでしょう。
当たり前ですが、日本のATCと、アメリカのATCのイントネーションが違います。話す速度が違ったり、どちらかというと決められた文言を言う日本に比べて、アメリカのATCは英会話をしています。
ネイティブの英語が苦手な日本人パイロットも多いようです。アメリカに就航していなくても、日本の岩国アプローチは米国が管轄しているので、松山空港などにアプローチする際には英語がネイティブな管制官とコミュニケーションを取らなければなりません。
毎日聞いて練習をしていくと、自然と上達することは間違い無いでしょう。
今回は、世界中のATCを聞くことができるサイト、LiveATC.netのご紹介でした。
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