あなたはパイロットに向いている?どんな人が求められているの?
パイロットを目指している人なら、誰でも1度は自問自答したことがあることでしょう。
「私は、パイロットに向いているのだろうか?」と。
これはどんな道を進んでも出てくる質問かもしれませんね。
今回は、どんな人がパイロットに向いていて、どんな人が求められているのか見ていきましょう。
どんな人がパイロットに向いているの?

早速ですが質問です。
あなたはどちらに当てはまりますか?
- 誰もやったことがない事をやってみたい
- 地道にコンピューターに入力作業を行い、その確認を抜かりなくおこないたい
この選択肢次第で、自分がパイロットに向いているかどうかが分かります。
JALでキャプテンをやられていた小林宏之さんによると、パイロットに向いている人は、後者の「地道に入力作業を行いその確認を抜かりなくおこなう」を選んだ方だそうです。
パイロットは周りからチヤホヤされて、毎日が楽しい生活を送っているように見えますが、実はそんなに派手なことはありません。
毎回、フライト前のブリーフィングを同じように行い、飛行機に向い、必要なデータをFMSに入力して、それが正しいか確認します。
飛行機は離陸後、すぐにオートパイロットを使用して飛行します。
エアバス式A320だと、Limitationで離陸後「100ft」か「5秒後」にオートパイロットを入れても良いとなっています。
また、着陸は、ILSで「160ft」, Non-precision Approachで「250ft」, サークリングアプローチで「500ft」まで、オートパイロットを使用しても良いのです。
さらに、最近ではオートランディングも可能となり、離陸後一度オートパイロットを使用したなら、着陸まで機械が操縦を行います。
なので、上空ではほとんどの時間オートパイロットが操縦を行なっていますし、速度や高度をずらすことなく飛ばす技術は人間よりも優秀でしょう。
昔のように、飛行機はパイロットが操縦してなんぼと言う世界ではなくなり、オートパイロットがしっかりと仕事をしているのかモニターするのが、パイロットの仕事になりつつあります。
オートパイロットに仕事をしてもらうには、確実なフライトデータの入力作業が重要です。
「飛行ルート」や「機体重量」などの入力作業は、人間が行います。
ここで間違った値を入力してしまうと、機械は一生懸命間違ったルートや数字を追いかけてしまいます。
一度正しくフライトデータを入力すれば、あとは座っていれば良いかと言うとそうではありません。
機械が本当に正しく働いているのか、モニターしなければなりません。
今までずっと順調に動いていたハイテク機器が、今日突然壊れるかもしれません。
もし壊れてしまったときに、何も考えずに座っていると、対応に遅れてしまいます。
旅客機は時速900km程度で飛行しているので、ちょっとした遅れでかなりの距離進んでしまい、その間は安全を担保できているとは言い難いでしょう。
小林さんは著書の中で次のように語っています。
面白くなさそうな仕事を実直にきちんとできる人こそが、パイロットに向いています。「人と違ったことをやりたい」「特別なことをやってみたい」という人は、実は民間航空機のパイロットには向かないのです。
JALで学んだミスをふせぐ仕事術
まとめ
いかがだったでしょうか?
一見華やかに見える世界のパイロットですが、毎日毎日機械に同じことを入力して確認する地味な作業をしています。
逆に、毎日同じことを同じようにやれる能力が求められています。
航空業界は安全が第一です。
万が一の事故があってはならないので、何度やっても同じようにミスなくでき、さらにそれが本当に正しいのか確認できる人間が求められているのです。
【参考文献】