【パイロットの英語力】エアラインパイロットに必要な英語力とは?
パイロットと言えば高い英語力が求められていると思う人が多いのではないでしょうか?
日本でのATCは英語か日本語を使用するとなっておりますが、外国から来る機体も多いので日本のATCも基本的に英語が使用されております。
第三十三条 定期運送用操縦士、事業用操縦士、自家用操縦士又は准定期運送用操縦士の資格についての技能証明(当該技能証明について限定をされた航空機の種類が国土交通省令で定める航空機の種類であるものに限る。)を有する者は、その航空業務に従事するのに必要な航空に関する英語(以下「航空英語」という。)に関する知識及び能力を有することについて国土交通大臣が行う航空英語能力証明を受けていなければ、本邦内の地点と本邦外の地点との間における航行その他の国土交通省令で定める航行を行つてはならない。
航空法(航空英語能力証明)
上記の航空法第33条にあるように、航空英語に関する知識及び能力がなければ、日本と海外を結ぶ運航を行ってはならないとなっております。
最近では海外便がある航空会社がとても多いです。LCCでは新人の副操縦士でも、海外路線の乗務があるのは珍しくありません。
パイロットが航空英語の知識及び能力があるかどうかは、航空英語能力証明書というもので証明されます。
それぞれレベル分けされており:Level 1 ~ Level 6まであります。数字が大きくなるほど、英語力があるということになります。
しかしLevel 4以上でないと、海外へ出てはいけないという決まりになっております。
なので多くの航空会社は、最低限航空英語能力証明Level 4以上の英語力がある人材を必要としているのです。
航空英語能力証明Level 4は、TOEICや英検などでどのぐらいのレベルかの換算は公表されておりません。
さらに、航空会社に入社後トレーニングを海外で行う会社もあります。その際に、教官は日本人である保障はありません。
なので、各航空会社がパイロット募集をかける段階である程度の英語力を求めております。
今回は、各航空会社の募集要項で求められる英語力をみることにより、実際にエアラインパイロットの英語力は、どの程度必要とされているかわかることでしょう。
各航空会社の求めている英語力
ANA:
ANAの自社養成パイロットの募集要項では、英語力TOEIC700点以上が求められております。
ANA Wings:
2019年3月1日からANAの子会社である、ANA Wingsも自社養成パイロットを募集開始しました。
ANAと同じで、求められる英語力はTOEIC 700点以上です。
また、面接などに進む前にFCAT(Flight Crew Assessment Test)と呼ばれる、適性検査を受験しなければなりません。
このテストの2次試験で英語力の検査があります。
航空大学校:
国立のパイロット養成施設で、一次募集を中断していることもありましたが、毎年募集定員は108名と数多くのエアラインパイロットを輩出しております。
受験前に特に求められる英語力はありませんが、試験科目で英語力がチェックされます。
ピーチアビエーション:
「パイロットチャレンジ制度」というものがあり、ピーチ航空・エアバス社・三井住友銀行が共同でエアラインパイロットを育成プログラムです。
これに応募するにはTOEIC600点以上が求められております。
スカイマーク:
スカイマークも自社養成を行っております。
訓練の一部は海外で行われており、受験資格として求められている英語力はTOEIC600点以上です。
さらに、3次面接で英語の面接が行われており、読み書きだけでなく話す力も必要です。
まとめ:
このように、航空会社が求める英語力はTOEIC600点〜700点程度のようです。
航空英語能力証明には更新期限があります。それぞれ:
- Level 6:永久
- Level 5:6年
- Level 4:3年
Level 6が取れれば、永久に更新はしなくてもいいですが、母国語レベルと判断されない限り取得ができないです。
なので、多くの人はLevel 4か5でしょう。Level 4・5 では更新が3年と6年毎になっております。
実運航では無線機を使用して英語を使用したりするので、とても聞き取りずらかったりします。
海外を飛行中にとっさなことが起きてATCに報告しなければならない状況の時、丸暗記の英語では伝えられないこともあるかもしれません。
パイロットの仕事は一生勉強だという言葉はよく聞きますが、英語力に関しても一生持続しなければいけないと言えるでしょう。
今からでも英単語1つだけでも覚えてみてはいかがでしょうか !?