パイロット(航空)留学のメリットと注意点【夢を諦める前に】
少し前まで日本でエアラインパイロットになるといえば、各会社が行なっている自社養成パイロットとして採用されるか、航空大学校にいく人ぐらいしかなれませんでした。
しかし、最近では日本の私立大学でもパイロット養成コースが次々と立ち上げられています。
お金をもらいながらトレーニングができる自社養成パイロットの倍率はとても高いです。この枠に入り込むのはごく一握りになってしまいます。
また、次に費用が安い航空大学校も人気が高いです。高等専門学校卒業、短期大学卒業、4年生大学で2年間経った人しか受験資格がありません。
自分の叶えたい夢を真剣に考えるのは高校生の時ではないでしょうか?そんなか、パイロットになりたいと思ったら、その時が一番やる気に満ちている時です。
しかし、航空大学校を受験するため4年生大学で2年間過ごすと、周りの雰囲気に流されてしまいだらだら無駄に2年間を過ごしてしまうかもしれないでしょう。
また、日本の4年生大学もエアラインパイロットになるために訓練を提供しております。しかし、日本で飛行機を維持したり、訓練を委託するにはとても費用がかかります。
法政大学や東海大学など有名な大学に入学したら、4年間に最低2,400万円から2,500万円かかってしまいます。
自社養成や航空大学校入学は競争のハードルが高すぎで、日本の4年生大学では学費のハードルが高すぎるという方は、まだ夢を諦めてはいけません。
海外留学という手が残っています!海外留学する人が周りにあまりいないせいか、邪道であると思う人がいるかもしれないでしょう。
しかし、実際に海外留学してみるといいことが目白押しなので、今回ご紹介したいと思います。
航空留学のメリット
英語力が鍛えられる:
パイロットになるには英語力が求められます。日本と海外を結ぶ路線を飛行するには、航空英語能力証明という証明書を取得する必要があるのです。
リスニングからスピーキングまで実運航で必要な英語能力が試されます。
しかし、英語圏に留学してしまえば、英語力は自然とつきます。授業は英語で行われますし、現地でできた友人との会話も英語です。
何かわからないとことを質問するときや、店で注文のときも英語です。さらに、大学の寮生活よりもアパートで生活した方が安上がりになる地域もあります。
その際アパートを契約するときも英語を使用します。
学校での勉強から衣食住全てで英語を使わなければなりません。こんなけ英語を使っているのであれば、日本で生活しているより断然に英語力が向上します。
飛行機が身近:
日本で小型飛行機に乗る機会は滅多にないでしょう。しかし、飛行機の生みの親であるライト兄弟の母国アメリカでは、セスナのような小型機が2018年だけで約210,000機、エアラインのようなお金を稼ぐための飛行機が5,100機登録されております。
それに対して、国土交通省によると日本で飛行機が登録されている数は、小型機から大型機全てをひっくるめても、年間平均で約1,300機ほどしか登録されていません。回転翼航空機(ヘリコプター)などを含めても約2,800機程度なのです。
日本とアメリカの国土の差は25倍です。
それに対して、飛行機の数の差は約100倍にもなっています。いかに日本よりアメリカの方が、飛行機が身近な存在になっていると言えるでしょう。
日本人の大好きなハワイやグアムなどに旅行した際に、小型機に乗ってみた経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか!?
需要と供給の関係で、アメリカにはこんなにも飛行機が溢れかえっているので、日本で空を飛ぶよりも1/2~1/3のコストで空を飛べるのです。
もし、アメリカのライセンス(FAA)を取得したのであれば、飛行機をレンタルしている会社に出向き、軽く慣らし操縦をしたら飛行機を貸してくれるところがとても多いです。
なので、最低自家用操縦士免許を取得してしまえば、飛行機の訓練中の週末などに家族や友人を呼んで、自分の操縦する飛行機に搭乗させてあげることが可能なのです。
この格安さはフライト訓練でも言えることなのです。
世界観が広がる:
航空留学をして一番大きな獲得物は、自分の世界観が広がることでしょう。
もし、日本の高校卒業後、航空留学で航空学部のある海外の大学に入学したとすると、同い年ぐらいの仲間ができます。
アメリカの教育制度は日本とは違います。
日本では小学校、中学校、高校と6年・3年・3年と12年間勉強するのが普通です。
一方アメリカでは、この12年間をエレメンタリースクール、ミドルスクール、ハイスクールと分けられておりますが、それぞれの年数の割り振りは地域によって違ってくるのです。
さらに、この12年間の勉強方法は人それぞれ選択できるのです。アメリカでは在宅教育(ホームスクーリング)が認められています。
12年間をホームスクールで学ぶ人が230万人もいます。さらに、公立と私立の教育方法の違い、飛び級制度などもあるので、子供達の学ぶ環境が違います。
アメリカのハイスクールを卒業するまでの12年間と、日本の高校を卒業する12年間は同じなので、大学から留学すると同級生がぴったり同い年になるのです。
さらに、色々な考え方を持ったアメリカ人と触れ合えるだけでなく、アメリカの大学は多くの海外留学生を受け入れております。
中国、韓国、ベトナム、インド、イギリス、オーストラリア、ロシア、コロンビア、メキシコ、モロッコ、サウジアラビア、ケニア、ザンビアなどから留学生が集まってきます。
日本の大学に進んでいたら一生触れ合うことができない人とも関わり合うことができるチャンスです。
多くの価値観と触れ合うことにより、日本人の価値観としてしか世界が見られなかったのが、より幅広く世界を見られるようになるのです。
逆に、今まで日本にいた時には感じなかった、日本の良さにも気がつくきっかけになることでしょう。
パイロット(航空)留学の注意点:
パイロット(航空)留学の注意点は2点です。
- 何が何でも英語が必須!
- 自家用操縦士免許まで書き換え可能!
① 先ほども触れましたが、今まで日本人として日本で当たり前のように生活をしてきたのに、海外に出るとその当たり前が当たり前でなくなってしまいます。
何も考えずに日本語で会話ができていたのに、何をするにも英語になってしまいます。
初めは喋る前に、文法や用語を考えたり、相手が使っている単語を辞書で調べて知識のストックを作らなければなりません。
そのうち英語が使えるようになるといっても、初めは何事も大変です。
どうして英語圏にわざわざきたのかや、辛い時期はいずれ終わりが来て英語が普通に使えている自分が未来にいることを信じで、努力を継続するのみでしょう。
② パイロット(航空)留学の目的は海外でパイロットの免許を取得して、日本で書き換えたい人も多いのではないでしょうか。
その時に注意したいのは、アメリカなどの免許の書き換えは、自家用操縦士免許であれば、日本の航空法規の筆記試験を受験し、合格すれば書き換えが可能です。
しかし、事業用操縦士免許は、筆記試験に加えナビゲーションの実地試験があります。今まで飛んだこともない日本の空を、いきなりナビゲーションフライトをするのは無謀でしょう。
多少、日本の空になれる訓練やナビゲーションの練習が必要なので、数時間は日本で飛ばなければならないです。
まとめ
文部科学省によると、2017年度での日本人留学生の数は105,301人で、対前年度比8,448人増加しているそうです。
日本人の留学先の人気ベスト3は:
- アメリカ合衆国
- オーストラリア
- カナダ
です。どれも英語圏であるので、どこにいっても英語力が鍛えられることでしょう。
ただ、自社養成・航空大学校がダメだったからと子供の頃の夢を諦めるのではなく、外に飛び出してみると思いもよらぬ力が手に入ったり、人生観が変わることでしょう。