「フローティング」「バルーニング」「バウンシング」と見てきました。
今回は、「ポーポイズ」について見ていきましょう。
ポーポイズとは?
連続して縦揺れを繰り返し止まらなくなってしまうことをポーポイズと呼びます。
1回目の接地で機体が「バウンシング」してしまって、そのリカバリーで勢いよく機首を下げてしまい再び地面に強く接地してしまい、また跳ね返ってしてしまうことを繰り返すことがあります。
激しいポーポイズに陥ってしまうと機首が何度も地面に激しく叩きつけられ、ノーズギアが破壊されるまで繰り返してしまうこともありとても危険です。
どういうときに起こりやすいの?
ポーポイズが起こりやすい状況として:
- 接地の体勢がうまく整えられていないで接地をする
- 地面を見失ったり、距離感が掴めていない
- バウンシング後に無理に機体を接地させようとする
- トリムが調整が不十分
- 対気速度のコントロールが不十分
などです。
グラウンドエフェクトの影響が及ぶ範囲に入ると、エレベーターの効きが悪くなります。
そのため、ピッチアップ操作をより多くインプットしてあげなければ接地の体勢は作れません。
ピッチアップ操作が足りなかったり、トリムがあっていないと機首が下がったまま滑走路に接地してしまい、ポーポイズに陥る可能性が高くなります。
また、接地の際の速度が速すぎると機体はフロートしてしまい、機体がまだ飛ぼうとしているのにもかかわらず、操縦士が無理やり接地させようとするとポーポイズになりやすいです。
無理やり接地をさせたとしても、「滑走路の凹凸」「突風」「操縦桿をちょっと引いてしまう」ことが原因で、機体はまた飛び上がってしまいます。
対処方法は?
「ポーポイズ」の対処方法は、「バウンシング」を引き起こしてしまったときとほぼ同じです。
バウンシングの勢いが弱くそれほど機首が大きく上がらなかった場合は接地の体勢をすぐに作り、パワーを足してあげることで再接地の衝撃を和らげることができます。
しかし、機首が大きく上を向いてしまったりポーポイズが激しいと感じたときは、ゴーアラウンドをすぐに行うことが1番の安全策です。
地面に無理やり接地させて機体を安定させようと考えることは、状況を悪化させるだけです。
大きく機体が揺さぶられ、ピッチアップしているのかピッチダウンしているのかわからない状況になる前に、ピッチを上昇姿勢にしフルパワーでゴーアラウンドしましょう。
まとめ
ポーポイズで何度も地面に叩きつけられると、上下が分からなくなるといいます。
そうなってしまうと、ゴーアラウンドをしようとしても手出しができなくなってしまうでしょう。
1回目の接地の試みで大きくバウンシングしてしまったら、無理にリカバリーしようとせずにゴーアラウンドを早めにすることで、最悪の事態は避けられることでしょう。
【参考文献】