【飛行機のプロペラ】断面みたことある?どうしてねじってあるの?
プロペラは、回転する翼のようなものです。
なので、主翼のようにストールもしますし、ドラッグも生み出します。
いくつかのモデルは、押す力でスラストを生み出すものもありますが、多くのプロペラは飛行機を前方に引っ張る力でスラストを生み出します。
プロペラがスラストを生み出す仕組みは、プロペラのリフトを使っています。
エンジンからの動力がプロペラを回転させ、進行方向に対してリフトが発生している状態です。
プロペラのスラストは、プロペラのリフトと深い関わりがあります。
よりスラストを生み出したければ、プロペラのリフトをより大きくしてあげる必要があります。
リフトを大きくする要素は、「プロペラのRPM」「プロペラのAOA」「プロペラの断面の形」です。
プロペラの取り付け
プロペラは、翼のように真っ直ぐな形になっていません。
よく見ると、根元から先端に向けねじられています。
AOAが一番大きくなっているのは根本で、先端に行くにつれ浅くなっています。
ではなぜプロペラはねじられて取り付けられているのでしょうか?
それは、プロペラの根本から先端にかけ均等にリフトを生み出すためです。
プロペラはある程度の長さがあります。
プロペラを回転させた時、その速度を見てみると、根本の速度と先端の速度では差があります。
先端の方が根元より移動距離があります。
そして、同じ時間で回転しなければいけないので、先端の方がより速く移動しなければいけません。
上図のように、2,500RPMにパワーセッティングした時、プロペラの根本20インチ(50.8cm)のところでは、時速129ノット(239km/h)で移動しているのに対して、プロペラ先端の60インチ(152cm)のところでは、389ノット(720km/h)と3倍以上の速さで移動していることがわかります。
なので、より速度がある先端の方ではAOAを小さくして、より移動速度が遅い根本の方のAOAを大きくすることで、速度の違いによるリフトの違いを補っているのです。
しかし、プロペラの角度を固定していると、速度が増速したときに弱いです。
対気速度が増すにつれ、プロペラの先端はストールを引き起こし、根本の方はマイナス方向のAOAになってしまいます。
なので、多くのプロペラは「Fixed-Pitch Propeller」と「Adjustable-Pitch Propeller」の機構を持っています。
これら2つは、別の機会にご紹介できればと思います。
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【参考文献】
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