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【SAR】捜索救難活動の3段階とは?

【SAR】捜索救難活動の3段階とは?

前回、捜索救難活動には3種類あり「不確実の段階」「警戒の段階」「遭難の段階」の3種類があることに触れました。

順番に、「遭難するかも知れない〜」「遭難する可能性が高い〜」「遭難した!」と緊張レベルが上がっているのがわかります。

では、実際にどのようにこれらの段階に振り分けているのでしょうか?

今回は、その段階の「緊急状態」とそれを知った「関係機関が取る行動」を見ていきたいと思います。

不確実の段階

  1. 位置通報または運航状態の通報が予定時刻から30分過ぎてもない場合
  2. 航空機が予定時刻から30分(ジェット:15分)過ぎても目的地に到着しない場合

この二つの条件からもわかるように、「なぜか連絡がこないな〜」とか「到着が遅れているな〜」と不思議に思う段階と言えるでしょう。

日本の国土上空はほぼレーダー監視下なので、位置通報などは省略することができますが、もし、岸から遠く離れた海上など、地上のレーダーが届かないところを飛行しているときに、位置通報をしなければいけない場所があります。

そこを通過しているはずなのに、なんの連絡もなかったら今どこを飛行しているのか心配になることでしょう。

また、提出されたフライトプランと見比べて、予定到着時刻から大幅に遅れたら、残燃料の問題もありますし、地上の人は心配をします。

警戒の段階

  1. 「第一段通信捜索※1」で当該航空機の情報が明らかでない場合
  2. 第一段通信捜索開始後30分を経ても当該航空機の情報が明らかでない場合
  3. 航空機が着陸許可を受けた後、予定時刻から5分以内に着陸せず当該航空機と連絡が取れなかった場合
  4. 航空機の航行性能が悪化したが不時着の恐れがある程でない旨の連絡があった場合
※1 第一段通信捜索は、「計器飛行方式」で飛行している場合と、「有視界飛行方式」で飛行している場合とで少し違います。「計器飛行方式:予定経路上における同期と交信し得る管制機関の有する施設を利用して行う捜索」「有視界飛行方式:予定経路上における飛行場について行う捜索」

不確実の段階から1段警戒レベルが上がったのが、警戒の段階です。

4番の連絡とは、「PAN-PANコール」がパイロットから発信された時に該当します。

ちなみに、ここで出てきた「第一段通信捜索」とはどのようなものなのか?などと、口述試験で聞かれることがあります。

「計器飛行方式」と「有視界飛行方式」で行われる内容が少し違うことや、後に出てくる、拡大通信捜索とごちゃごちゃにならないように頭の中を整理しておくといいでしょう。

遭難の段階

  1. 「拡大通信捜索※2」で当該航空機の情報が明らかでない場合
  2. 拡大通信捜索開始後1時間を経ても当該航空機の情報が明らかでない場合
  3. 当該航空機の搭載燃料が枯渇したかまたは安全に到着するには不十分であると認められる場合
  4. 当該航空機の航行性能が不時着の恐れがある程悪化したことを示す情報を受けた場合
  5. 当該航空機が、不時着を行なった情報を受けたもしくはそのことが確実である場合
※2 拡大通信捜索とは、当該航空機の到達可能な範囲にある関係機関による捜索のこと。
フライトプランの項目19に、燃料搭載量を記載する欄があります。
これを記入する理由は、SARが捜索する範囲をある程度限定するためです。
ここに記載されている時間以上は飛行することはないと考えられるので、離陸後なんの連絡や捜索結果が得られないままこの時間が経過した場合、遭難の段階になります。
また、当該航空機から「MAYDAYコール」が入った場合などは、遭難の段階となり、地上では消防車の手配や関係各所に連絡したり大騒ぎになります。

関係機関が取る行動

【不確実の段階】

  •  第一段通信捜索を行う
  • RCCに通報する
  • 可能ならば当該航空機の使用者に通報する

【警戒の段階】

  • 拡大通信捜索を行う
  • 捜索救難に必要と認められる情報・資料をRCCに
  • 可能ならば当該航空機の使用者に通報する

【遭難の段階】

  • 収集した情報をRCCに通報する

【参考文献】

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