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【飛行機の着陸】スタビライズドアプローチって何?

安定したアプローチのことを英語でスタビライズドアプローチ(Stabilized Approach)といいます。

安定したアプローチとは、着陸する滑走路への進入角が一定で、飛行速度や着陸形態が適正に整えられている状態のことを指します。

なぜ、スタビライズドアプローチをしなければいけないのでしょうか?

また、スタビライズドアプローチを行うと、その後にどんないいことが待っているのでしょうか?

今回は、スタビライズドアプローチと、着陸作業中パイロットがしてしまうエラーについて見ていきましょう。

エイミングポイントとタッチダウンポイント

多くのパイロットは、通常3°のパスで進入してくることでしょう。

この進入角はタッチダウンポイントからの角度ではなく、アプローチの照準点からからの角度です(上図、黄色い線参照)

照準点は、エイミングポイント(Aiming Point)やターゲットポイント(Target Point)と呼ぶ方が一般的です。

なぜ進入角はタッチダウンポイントからではないかというと、飛行機はフレアーをするので、アプローチの角度が変わるためです。

なので、エイミングポイントはフレアーの距離を考慮して、タッチダウンポイントより手前に設定しなければなりません。

また、フラップを展開してアプローチをしたり、横風の影響もあり、エイミングポイントには機首は向いていないことが多いでしょう。

機体の航跡の延長線上がエイミングポイントに向かうように、アプローチを行います。
もしフレアーを一切行われなければ、機体はエイミングポイントにタッチダウンすることでしょう。

スタビライズドアプローチ状態を作りだせたなら、パイロットは操縦桿のほんのわずかな微調整だけでをするだけでいいのです。

安定した気流の中を飛行しているときに、操縦桿を左右前後に激しく動かすということは、アプローチが安定していない証拠になります。

エイミングポイントを1点決め、それが視界から動かないようにアプローチすることができるかどうかで、安定したアプローチができているかの目安になります。

着陸練習で一番大切なことの1つは、正しいエイミングポイントをファイナルアプローチ中に設定することです。

しっかりとエイミングポイントを決めてそれを追いかけることができれば、パスが高くなっているのか低くなっているのか判断するのが容易になります。

また、エイミングポイントを決めて毎回アプローチしていると、エイミングポイントよりどれぐらいの距離フレアーしてしまうのか感覚がつかめるようになります。

その感覚が掴めれば、タッチダウンポイントを設定し、手前にどのぐらいエイミングポイントを持ってくればいいのか予想を立てることができます。

スタビライズドアプローチ中のエイミングポイントや滑走路の見え方

一定の角度でアプローチができているときは、水平線とエイミングポイントは同じ距離を保ちます。

もし、エイミングポイントと水平線の距離が離れるように見える時は、エイミングポイントが滑走路の奥側にずれてしまっている目安になります。

コックピットからの見え方として、自分で決めたエイミングポイントが機体のカウリングの方に移動しているように見えます。

ファイナルアプローチでの滑走路の見え方も、スタビライズドアプローチをする上で必要な要素になります。

滑走路は細長い長方形の形をしていますが、アプローチ中などの斜め上からの見え方は、細長い台形に見えるでしょう。

この台形の形が一定的に見えれば、アプローチの角度は一定であると言えます。

高度が下がってくると、台形は同じ形でだんだんと大きくなってくるように見えます。

しかし、アプローチが高くなりすぎると台形の高さが高く感じるようになったり、逆に低くなると台形の高さが低くなるように見えます。(上図参照|左:高い 中央:正常 右:低い)

スタビライズドアプローチの目的

スタビライズドアプローチの目的は、正しいタッチダウンポイントを滑走路に決めることです。

アプローチ中に角度を調整し、決めたタッチダウンポイントに接地できるように機体を操縦します。

アプローチからフレアーに移行する際、ピッチとパワーだけを調整してあげることで、タッチダウンポイントめがけ機体はゆっくりと降下し、接地する頃には接地速度まで減速していき、トリムをしっかりと合わせて無駄な力を必要としない状態が理想です。

この状態を作り上げることができたら、フレアー中は外の景色の見え方に集中することができます。

このとき一点だけを見つめるのではなく、前から横まで幅広くスキャンニングを行うようにしましょう。

スタビライズドアプローチができていると、このフレアーの際のスキャンニングに集中することができるようになり、フレアーの高さや長さの判断が容易になるでしょう。

エイミングポイントとパスの修正

もし、エイミングポイントが決めた場所とずれてきたのであれば、降下パスを調整してあげましょう。

パスが低くなってきたのであれば、パワーを足したりピッチアップしてあげることで、降下率を低くすることができ、正しいパスに乗せるまで調整してあげましょう。

このパスの調整中も、速度を一定に保つ努力が必要です。

ピッチを変えればパワーの調整が必要なので、どちらかを動かすのであれば、どちらかも対応してあげないと飛行速度の変化につながってしまいます。

パスを調整する上で重要なことは、いかに早くパスの変化に気が付けるかです。

もし早く気がつくことができたなら、ズレは小さいので修正量も小さくて済みます。

スキャンニングを素早く行い、小さいズレにいち早く気がつき、細かい修正を連続的に行うことで大きくアプローチパスからずれずに済むでしょう。

そして、大きくずれてから直すより楽に直すことができます。

また、ずれを直しきれず滑走路に近づいてしまうと、修正量が大きくなるので安定したアプローチができなくなってしまいます。

アプローチとランディングの際よくあるエラー

  • ベースレグで風への考慮が悪い
  • ベースからファイナルへのターンがオーバーシュートやアンダーシュートしてしまい、バンク角がキツくなりすぎたり浅すぎを招く
  • フラット/スキッドターンになり、オーバーシュートしてしまう
  • ファイナルターン中の舵の調整が悪い
  • 適切なタイミングでランディングチェックリストが行えていない
  • アプローチが不安定
  • フラップの展開が不十分
  • トリムが合っていない
  • パスをエレベーターだけで調整してしまう(パワーも必要)
  • フレアー中に近くを見過ぎるため、フレアーが高くなりすぎる
  • フレアー中に遠くを見過ぎるため、フレアーが低くなりすぎる
  • 着陸姿勢をとる前に接地してしまう
  • タッチダウン後のバックプレッシャーを忘れる
  • タッチダウン後、急ブレーキをかけてしまう
  • タッチダウンやロールアウト中、機体のコントロールを失う

まとめ

エイミングポイントのセッティングやその影響について見てきました。

今までの訓練で、エイミングポイントを決めていましたか?

また、タッチダウンポイントとエイミングポイントは違うことを知っていましたか?

もし、遠くから滑走路の形の変化やエイミングポイントの移動を見極めることができれば、一皮も二皮もむけたパイロットになることができるでしょう。

パスを見る技術を習得してしまえば、PAPIやGlide Slopeがないときでも安定してアプローチすることが可能になります。

 

【参考文献】

>飛行機パイロットTV

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