【トリビア】飛行機の中から見える地上で一番小さいものは何?

【トリビア】飛行機の中から見える地上で一番小さいものは何?

高いビルに登った時などに、”人が米粒のように見える”というやりとりは誰しもがあるのではないでしょうか?

では、飛行機の中から地上にいる人は見えるのでしょうか?

今回は、飛行機が水平飛行中に地上の何が見えるのか、計算してみたいと思います。

視力とは?

誰しもが1回は受けたことがある視力検査ですが、どのようにして視力を計測しているのでしょうか?

いかに小さいものが見えるかという基準で、視力を計測していると思っていませんでしたか?

しかし、違います。

視力とは見える角度を図っているのです。

では、多くの人が目がいいか悪いかの基準にしている、視力1.0とはどのような状態なの?

通常アルファベットのCの様な記号を使い、視力検査を行います。

この記号は、ランドルト環と呼ばれます。

これを、5m先に設置して、隙間が見えるかどうか計測しています。

視力1.0の人が見えるランドルト環はこのようなサイズです:

直径が7.5mmのリングがあり、その一部に1.5mm途切れているところがあるのです。5m先からこの1.5mmの隙間が視認できるということが、視力1.0と診断される基準なのです。

角度の世界では、これを1分と呼びます。

1分 = 1°の60分の1
これを使って計算してみると:
  • 1/60 = 0.01666666
  • 5m = 5,000mm
  • 視力1.0の人が見える隙間の長さは:5000mm tan 0.016667 = 1.45mm

1.45mmは四捨五入して、1.5mmの長さの隙間なら5m先から見えるということになります。

飛行機の水平飛行する高さは?

飛行機は、西向きと東向きに飛行する際に高度が違います。

また、小型のプロペラ機と軍用機では飛行高度が違います。プロペラ機はより低高度を飛行していますし、U-2偵察機は空のはるかかなたを飛行しています。

ちなみに、U-2偵察機は高度25,000m(約82,000ft)を飛行しています。これは、富士山(3,776m)の約6.6倍、エベレスト(8,848m)の2.8倍の高さになります。

今回は一般の旅客機を想定しておりますので、通常34,000ft~39,000ftの辺りを風向風速と揺れ具合など判断してベストな高度を選んでいます。

今回は、間を取って36,000ft (約10,972m)を飛行していると想定しましょう。

何が見えるの?

先ほどの計算式に当てはめてみると、36,000ftから視力1.0の人が地上で見えるものの長さは約3.191mのものであることが導き出せます。

人間を上から見たと想定すると、男性の肩幅がだいたい44cm〜46cm程度なので人間は飛行機の中から見えないことになります。

地面に寝そべっていたとしても3mの人などいないので、まず人間は見えないでしょう。

では、約3.1mのものとは、具体的に何か思い浮かびますか?

例えば、3.1mというのは軽自動車程度の大きさです。

【軽自動車の大きさ制限】

  • 全長:3,400mm以下
  • 全幅:1,480mm以下

まとめ

水平飛行中の飛行機の中から、視力1.0の人が見えるもので一番小さいものは、軽自動車程度の大きさものものであるとことがわかりました。

しかし、実際には:

  • 雲や大気汚染
  • 飛行機の真下は見えないので、窓から斜め下を見下ろすと距離が長くなる
  • 気圧高度と真高度は違う

なども加味しなければならないので、約3.1m程度のものは見えないかもしれないですね。

今度飛行機に乗った際に何が見えるか実験してみるといいかもしれないですね。夏と冬、都市部と郊外で見えるものが違ってくるかもしれないですね。

今回は、計算上のお話でした!

ちなみに、宇宙から唯一見える人工物は中国の「万里の長城」だそうです。