【飛行機のエンジン】ターボチャージングシステムの仕組み

【飛行機のエンジン】ターボチャージングシステムの仕組み

航空機は、空の高いところを飛行した方が燃費もいいですし、空気も薄いので抵抗も減ります。

なので、より速くしかも燃費良く目的地に到着する事ができます。

また、飛行機は離着陸は飛行場で行うので、低高度も飛行します。

なので、地上から上空約40,000ftまでの広い気圧幅にエンジンは対応しなければなりません。

通常のエンジンシステムに「ターボチャージングシステム」を取り込む事で、エンジンの手助けをしてくれます。

また、ターボチャージャーによりキャビンの与圧もコントロールする事ができるモデルもあります。

ターボチャージングシステム 出典:PHAK CH11

ターボチャージングシステムの仕組み

上図はターボチャージングシステムの概要です。

赤色の点線で囲まれているところがターボチャージャーと呼ばれる、このシステムの心臓部です。

【このシステムの流れを見ていくと:】

まずは、Air Intake(吸気口)からエンジンに送る酸素を取り込みます。

シリンダーに送られる空気量は、Throttle Bodyと呼ばれるバルブで調整する事ができます。

酸素がシリンダーに送られば送られるほど、高出力を生み出す事ができます。

シリンダー内で、酸素と燃料が燃やされ、排気ガスが生まれます。

各シリンダーから発生した排気ガスは集められ、ターボチャージャーの排気側のタービンを回転させます。

このタービンはもう一つあり、もう一枚は吸気パイプの中に入っています。

この二つはシャフトでつながっているので、排気ガスが増えると、排気側のタービンが勢いよく回り、連動して吸気のタービンも勢いよく回ります。

これにより、より多くの空気をシリンダー内に送り込む事ができるのです。

高高度飛行をしていると気圧が低いので、酸素をターボチャージャーで吸引して圧縮してあげる事で、エンジンが高高度飛行でも酸欠で出力低下するのを防いでくれる仕組みになっています。

吸気が増えエンジンがより燃焼すれば、排気ガスが増えます。これによりまた吸気が増えるので、よりエンジンが活発に動くというメカニズムです。

このままでは、永遠にエンジン出力が高まっていってしまうので、排気ガスを全てタービンに当てるのではなく、Waste Gasとして逃してあげる事で制御が可能になるのです。

このWaste Gasを調整するバルブは、油圧ピストンで調整されています。

ターボチャージャーのコントロール

ターボチャージャーのコントロールは、スロットルでコントロールするだけでいいのです。

特にごちゃごちゃしたターボチャージャー専用のコントロール装置はついていないです。

例えば、スロットルをクルーズのポジションに置いておくと、自動的にマニホールドプレッシャーの値をどのぐらいにするのか決めてくれるので、高度が上下して気圧が変化してもパイロットが操作しなくても、勝手に排気ゲートの開き具合を調整してくれます。

パイロットはターボチャージングシステムを使用しても、スロットル操作だけをすればいいのはとても楽でしょう。

まとめ

気圧が高いところから、気圧が低いところまで飛行する飛行機にとって、いかに効率よく酸素をエンジンに取り込むかは、長年の課題でした。

排気ガスはただ捨てられていただけなので、それをうまく利用した画期的な発明ではないでしょうか。

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