【コンテナの重さ】飛行機に積むコンテナ1つの重さはどれぐらい?

【コンテナの重さ】飛行機に積むコンテナ1つの重さはどれぐらい?

By Marcus Wong Wongm – CC by 4.0

このようなコンテナを空港で見たことはありませんか?何台も連なってお客さんの荷物を飛行機へと積んだり、下ろしたりしています。

突然ですが、荷物を積んでいない状態で、エアバスA320に使われているコンテナ1つの重さを知っていますか?

なんと、正解はコンテナだけで66kgです!

コンテナ1つと大人の男性が同じぐらいなようですね。

思っていたより軽かったですか?それとも、重たかったですか?

飛行機は、なるべく軽くした方が燃費が良いです。なのでコンテナもできるだけ軽量かつ丈夫なものが求められます。

ちなみにこのコンテナをULD (Unit Load Device)と呼びます。

エアバスA320型機は、ナローボディー機に分類されます。

そして、A320はナローボディー機として唯一ワイドボディ用のコンテナを搭載することができるのです。

A320のサイズはだいたいボーイング社のB737型機と同じぐらいです。しかし、B737はばら積みのみで、コンテナを搭載することができません。

現在日本のLCCではほとんどA320型機を使用しています。LCCはターンアラウンドといって、到着してからまた折り返すまでの時間がとても短いです。

折り返しの準備時間が、最短35分と言う航空会社もあります。

少しでも飛行機を地上にいる時間を短くして、安く多くの人を運ぼうとしているからです。

荷物の積み下ろしを1つずつ手で行なっていては、時間がとてもかかってしまいます。なので、コンテナを使って一気に荷物を出し入れした方が時間の短縮になります。

だから日本国内のLCCでは、B737型機よりもA320型機の方が多い理由の1つかもしれないですね。

ちなみにA320型機が積んでいるコンテナはLD3-46/46Wと言うものです。大型機であるB787やB777は、LD3と言う規格のものを使っています。このLD3の高さを少し低くしたものがLD3-46/46Wになります。

A320にはULDが何個積めるの?

A320は荷物を積む場所が3箇所に分かれています。また、それぞれの場所に積めるULDの数も決まっているのです。それぞれ:

  1. 前方貨物室 (FWD):ULD3台
  2. 後方貨物室 (AFT):ULD4台
  3. バルク貨物室 (BULK):ULD0台

積むことが可能です。合計台までULDを積むことができます。

バルク貨物室とは飛行機の一番お尻の方に位置しており、飛行機のお尻はすぼまっているので、高さが足りずコンテナは積めないのです。高さを必要としないロングサーフボードのような、ULDには入らない長いものなどを搭載しています。
積むULDの個数は荷物の多さによって変わります。ULDが1つだけの時もあれば、最大7つの時もあります。また、預け荷物が全くない時でも折り返しの便で多くのお客さんが荷物を預けそうな時は、空のULDを空輸する事もよくあります。
ULDが7台よりも少ない時には、あらかじめどこに積むかが決められおります。例えばULDが1台しかない時は、前方貨物室ではなく後方貨物室の前から三番目の場所に積むなど、規定さているのです。
飛行機は車輪の取り付け方により、地上では後ろに重さがかかる事が苦手です。
なので、7箇所全てにULDを積む時も、適当に後ろから4台積んでしまってから前3台を積もうとすると、飛行機が地上でバランスを崩し尻餅を着いてしまうかもしれません。
そうならないためにも、前方貨物室に3台積んでから後方に積み始めることと決まっているのです。

重さはどのぐらい積めるの?

飛行機の床はどれだけ重たいものでも耐えられるように作られているわけではありません。

なので、どの程度の重さなら床が耐えられるか計算しているのです。また、着陸の際などにGがかかり、その重さの何倍もの力が飛行機のフレームにのしかかります。それらも踏まえて積みこめる荷物の重さが決められています。それぞれの最大の重さは:

  • 前方貨物室:3,402kg
  • 後方貨物室:4,536kg
  • バルク室:1,497kg

となっています。

ちなみに、ULD1個に積みこめる量は、航空会社によって規定が違います。1ULDに対して何kgまでと決めていたり、預け荷物何個までと決めていたり様々です。

まとめ:

いかがだったでしょうか?普段何気なく預けている荷物も、どのULDに入れられ、そのULDはどこに積んでいて、どの順番で積むのかまで把握されているのです。

また、A320に使われているコンテナの重さは66kgであると知っていましたか?

最大まで積むと、66kg x 7とULDだけで、462kgにもなってしまうのです。荷物をULDに入れないで積む方が、軽くなり燃費も良くなります。

しかし、荷物を積み下ろしする際に時間がかかり、人件費がかさんだり、ターンアラウンドが長引いてしまって、機会損失が生まれるかもしれないでしょう。

どちらの方法をとるべきかは、エアラインが儲けるために必要な計算の1つでしょう。

今回は飛行機のコンテナ(ULD)1つの重さは66kgであると言うお話でした。