飛行機のリフト/ドラッグ比は何に使うの?

リフト/ドラッグ比をご存知ですか?

名前の通り翼が生み出したリフトが、ドラッグに対してどのぐらいか比べたものです。

この比率を求めてどのような役に立つのかご存知ですか?

今回は、リフト/ドラッグ比について見ていきましょう。

リフト/ドラッグ比とは

定速で飛行しているとき、リフトとドラッグは一定の値を維持し、揚力係数(CL: The Coefficient of Lift)と抗力係数(CD: The Coefficient of Drag)は、AOAにより計算することができます。

この図の横軸が、AOAの角度を示しており、CLが赤色の線、CDがオレンジ色の線を表しています。

リフト/ドラッグ比は、CLをCDで割って計算することができます。

図からも読み取れるように、AOAが小さいとCDの値も小さくなります。

AOAが小さい角度のときは、多少のAOAの変化でもCDはあまり変化しません。

しかし、AOAが大きくなると、グラフの曲線がキツくなっているのが見て取れると思いますが、CDも大きく増加します。

一方、赤色のCLは一定の角度で増加していき、AOAの角度が約20°になったところで減少に転じています。

このAOA角度20°の場所をCritical AOA(臨界迎え角)といいます。

他にも、このグラフには緑色の線が描かれています。

これが、リフト/ドラッグ比の値の変化を表した線になります。

緑色の線の頂上でAOAが約6°の所に、L/DMAXと書かれている点があります。

ここがリフト/ドラッグ比の最大の点で、一番少ないドラッグの影響でリフトが得られる点です。

AOAを約6°以上にしても、それ以下にしてもドラッグの値が大きくなってしまいます。

それは、次の表でもわかります。

こちらは、緑色を「パラサイトドラッグ」、赤色を「インデュースドドラッグ」を表した図です。

青色の点線が、それぞれのドラッグのトータルの値を示しています。

L/DMAXはこの青色の一番低いところにあたります。

まとめ

リフト/ドラッグ比がどのぐらいか知ることで、その機体の一番効率的なオペレーション速度やAOAの角度を知ることができます。

他の機体とリフト/ドラッグ比の値を比べてみると、その値が大きい機体ほど効率よくオペレーションができる目安になることでしょう。

一度自分が操縦する機体のリフト/ドラッグ比を求めて見てはいかがでしょうか。

 

【参考文献】