【航空機事故】どのフェーズで事故が一番起きていると思いますか?
宝くじに当たるより、遭遇しにくいと言われている航空機事故ですが、実際に毎年のように死亡事故が発生してしまいます。
乗客として乗っているのであれば、特に飛行機の運行に対してできることはないかもしれませんが、もしパイロットを目指すのであれば、フライトのどのフェーズで事故が起きやすいのか知っていると、よりそのフェーズで気を引き締めることができるでしょう。
今回は、フライトのどのフェーズで事故がより多く起きているのか見ていきましょう。
事故が起きやすいフェーズ

上図をご覧ください。
左から右にかけて、飛行機のフライトのフェーズが9つに分けられています。
それぞれ、「離陸前/タクシング」「離陸/初期上昇」「上昇」「クルーズ」「降下」「マニューバー」「アプローチ」「ランディング」「その他」です。
見ての通りですが、この中で事故が引き起こりやすいBest 3フェーズは:
- 着陸:24.1%
- 離陸/初期上昇:23.4%
- クルーズ:15.7%
となっています。
クリティカル11ミニッツをご存知ですか?
- 航空機事故|クリティカル11ミニッツとは!?
離陸の3分間と、着陸前の8分間の合計11分間の事を「クリティカル11ミニッツ」もしくは日本語で、「魔の11分間」と呼ばれています。
この間に、多くの事故が引き起こってしまっているので、パイロットに「この間は特に気を引き締めていこう」と喚起しているのです。
人間の集中力は、そう長くは続きません。
離着陸時に集中力を最大にして、それほど集中力が必要ないフェーズでメリハリをつけなければ、疲労が蓄積し大事なフェーズで集中力が発揮できなくなってしまいます。
離着陸時には、地面と機体との距離がとても近くなっているので、安全マージンが少ないです。
例えば、10,000ft上空でうっかり500ft下にずれてしまうのと、地面から600ftのShort Finalで500ft高度がずれるのでは大違いです。
まとめ
離陸よりも着陸の方が、僅差ではありますが事故が起きやすいことがわかりました。
離着陸時には、地面との距離が近いので危ないのはわかりますが、クルーズフェーズでの事故発生件数が3番目に多いのは、気の緩みが関係しているのでしょうか。
離着陸時に加え、クルーズ飛行も注意して飛行しなければいけないことがわかりました。
しかし、ずっと集中していては、大事な時に集中力を発揮できなくなってしまうで、集中力の緩急をうまくつける必要があるようですね。
今回は、事故が起きやすいフェーズについてご紹介しました。
【参考文献】
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