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飛行機のリフトについて【航空機に働く4つの力】

突然ですが、リフトの公式を知っていますか?

なぜ、リフトの公式を覚える必要があるのでしょうか?

リフトの公式の中には、「フライト技術向上」のヒントが隠されています。

高度や速度が変化すると、どうしても高度がずれてしまう事はありませんか?

もしかしたらリフトの公式を改めて復習することにより、うまく高度維持ができるようになるかもしれません。

今回は、そんなリフトについて見ていきたいと思います。

リフトとは

リフトとは、翼の動的効果により発揮される力で、フライトパス(飛行機の航跡)に対して垂直に働く力をさします。

簡単にいうと、上図の上向きの力でウエイト に対抗する力です。

リフトの力が強くなれば、飛行機は上昇し、逆に弱くなれば、降下します。

パイロットが操縦桿やサイドスティックを前後にする事で、翼のAOAをコントロールすることができ、結果リフトの値もコントロールすることができます。

AOAの値が大きくなると、リフトが増えます。

AOAがある一定以上の角度になると、急激にリフトを失います。

これは、翼の表面を流れる気流が剥離するために、失速が引き起こるからです。

この角度のことを、「CL-max」や「クリティカルAOA」とよびます。

上の図の赤色の線に注目してください。

これは、CL(揚力係数)の線で、山の頂上のところがCL-maxになります。

このCL-maxを超えたら、CLが増加する事は一切ありません。

リフトと対気速度

リフトと対気速度の関係性を理解する必要があります。

ヘリコプターのローターも、飛行機の翼のような断面をしております。

ヘリコプターの場合は、ローターが常に回転して新しい気流をうけ続けることが可能です。

しかし、飛行機の翼はヘリコプターのローターとは違い、絶えず新しい気流を提供するために、空中を移動し続けなければいけません。

どのぐらいの気流の影響を受けているのかは、対気速度計で確認することができます。

こちらがリフトの公式です。

  • L:リフト(Lift)
  • CL:揚力係数(Coefficient of Lift)
  • ρ:空気密度(Air Density)
  • V:速度(Airfoil Veolocity)
  • S:翼面積(The Surface Area of Wing)

もし速度以外の条件が同じであれば、速度が増加すると、その2乗の大きさでリフトが増えることがわかります。

例えば、100ノットで飛行している時よりも、200ノットで飛行している時の方が4倍もリフトを生み出すことになります。

それだけ、速度がリフトに影響を与える割合が高く、いかに大切な要素なのかわかります。

速度が増加すると、リフトが2乗の勢いで増えていってしまうので、リフトの力がウエイトの力を上回ったとき、上方向へ加速してしまい高度の維持はできません。

高度を維持するためには、先程の公式のうちどれかの値を、パイロットが調整してあげる必要があります。

速度以外で唯一パイロットがコントロールすることができるのは、揚力係数でしょう。

揚力係数は、「翼の形」や「AOA」などによって決まります。

このAOAを小さくしてあげることで、リフトの値を小さくすることができ、速度増加により増えたリフトの値を相殺してあげることが可能です。

それにより、高度を維持したまま増速をすることが可能になります。

パイロットが取る具体的な行動としては、「パワーを足す→速度が上昇し始める→ピッチを下げる=AOAが小さくなる」という流れです。

逆に水平飛行中に減速する時は、「パワーを減らす→速度が減少し始める→ピッチを上げる= AOAが大きくなる」です。

これを速度が変化する間中、絶え間なく行うことで高度変化を小さくすることができます。

しかし注意点として、CLの値を大きくすることができる限界が、CL-maxまでとなっています。

フラップやスラットなどを使って翼の形を変えてしまえばCLは大きくなりますが、今回は割愛させていただきます。

リフトと空気密度

先程の公式から、空気密度が変化すればリフトに影響を与えると読み取れます。

空気密度が変化する要因として、「気圧」「温度」「湿度」があげられます。

気圧

飛行機は車とは違い、空高くまで上昇することが可能です。

高度約18,000ft(5.49km)の高さの気圧は、海面付近の気圧の約半分ほどしかありません。

高高度で飛行する時は、気圧が減少する分リフトが減ってしまいます。

なので、飛行速度を増加するかAOAを大きく取る方法で、リフトとウエイトのバランスを保つことができます。

温度と湿度

暖かい空気と冷たい空気では、暖かい空気の方が空気密度が小さくなります。

また、湿度が高い時と低いときでは、湿度が高い方が空気密度が小さくなります。

なので、日本の夏のように暖かくてジメジメしているときは、リフトの値が小さくなってしまいます。

この場合も、飛行速度やAOAを大きくして、リフトが減った分を補ってあげる必要があるのです。

まとめ

今回は、リフトの増加・減少について見てきました。

うまく飛行機を操縦したいのであれば、リフトの公式は覚えておいて損はないでしょう。

どういうときにリフトの値が変化するのか知っておくと、物事を先回りして対処することが可能になるからです。

また、なぜ高度がずれてしまうのか理解する手がかりともなります。

さらに、公式の中からわかるように速度だけは2乗で影響が出るに加え、パイロットがコントロールすることができる項目の1つです。

この速度とCLをいかにうまくコントロールするかが、飛行機を自在にコントロールできるかどうかの分かれ目でしょう。

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