海霧とは?どこで発生して、発生しやすい時期やエリアは?
海霧とは?
海霧は「うみぎり」や「かいむ」と呼ばれたり、イギリスではハール(haar)とも呼ばれています。
俳句の世界では、「じり」とも呼ばれ、夏の季語となっています。
夏の季語に使われるように、日本では夏季に北海道の東沖で発生する霧です。
海霧の発生のメカニズムは、夏は「移流霧」として発生することが多く、冬は「蒸発霧」です。
- 夏季:移流霧
- 冬季:蒸発霧
【関連】
移流霧(Advection Fog):暖かく湿った空気が冷えたエリアに移動した時に発生する。
蒸発霧(Steam Fog):移流霧とは逆で、冷たい空気が暖かい水面の上を通過する時にできる。
温暖で湿潤な北太平洋高気圧(オホーツク海高気圧)からの風が、比較的冷たい親潮により空気が下方から冷やされ、海霧が発生します。
夏季(7月)の移流霧として発生した場合は、比較的広い範囲に濃い霧が海上で発生しますが、冬季(12月〜2月)に蒸発霧として発生した場合は、比較的薄い霧が狭い範囲に発生します。
この霧が、風に乗り内陸に侵入してくると、沿岸の空港に離着陸する航空機への影響だけではなく、濃い霧が原因で作物に十分な日光が当たらず、作物の生育が妨げられてしまうこともあります。
海上を航行する船舶への影響も出ています。
海霧が発生しやすい場所・時期
海霧が発生しやすい場所は、北海道南東部から三陸沖の東の海上です。
発生しやすい時期は、過去30年間のデータによると、7月頃が一番海霧が発生しています。
データによると、7月に釧路や根室で海霧が発生した日数は平均して20〜24日と、ほぼ毎日のように発生しております。
また、釧路の北西には山々がそびえ立っているので、南東風が吹いて海霧が内陸に入ってくると、抜けにくい地形となっています。
海霧が発生する条件
【夏季】:移流霧
- 風向:南寄り
- 風速:7〜9kt(4〜5m/s)
- 気温/水温の差:2〜3℃
- 霧の厚さ:100〜600m
- 大気の状態:気温の逆転(海霧上空)
【冬季】:蒸発霧
- 風向:北西風(夜間に地面により冷やされた空気が、暖かい海面上に吹き抜けた時)
- 気温/水温の差:10℃(気温<水温)