音と気温の関係

いつも飛行機を同じところから見ているはずだが、夏と冬とでは聞こえてくる飛行機のエンジン音が違うと感じたことはありませんか?

目次:

  • 音が伝わる仕組み
  • 音と気温の関係

音が伝わる仕組み

まず、音とは波で、野球場やサッカー場で人が作る、ウェーブによく似ています。隣の人が立ち上がったら、またその隣の人も立ち上がるという連続した行動です。音も音が鳴った音源から周りにある空気を振動させて、自分の耳の鼓膜まで伝わって、音が鳴ったことを感じることができるのです。ウェーブのように、縮こまった状態から一気に伸びきる状態に移動します。

この動きは、まるでバネが縮こまった状態から、一気に伸びることに似ています。夏祭りなどでよく耳にする太鼓を例にしてみると、太鼓をバチで叩いたとします。そうすると、太鼓の皮とその周りの空気が縮こまります。そして、やがて伸びます。その影響で、さらにその横にある空気が縮こまり、また伸びます。このように連鎖して、音は遠くまで伝達されていくのです。

音は目には見えませんが、波形にしてデジタルでみることができます。太鼓を強く叩くと大きな音がしますが、これを波形で見てみると、振幅が大きくあわらされます。次に、音の振動数を見ていくと、1秒間に何回振動するかで、音の高さが変わってきます。50ヘルツだと1秒間に50回振動するということになります。そして、この振動数が多いほど音が高くなります。

波の振幅や周波数で強弱や音程が変わっていく音ですが、気温でも伝わり方が変わります。気温が高くなるほど音は早く伝わります。これは、空気中の分子が原因で、あったかい空気の中の分子の方がより活発に動けるので、その分隣へ伝達するのが早くなります。逆に、寒い冬の大気中の分子は、夏の暖かい空気と比べて活発ではないので、隣への波の伝達が鈍くなってしまう性質があります。日によって気温は違いますし、気団と気団がぶつかるところでは、上下の空気塊の温度が違います。なので、音の伝わりかり方が同じ日でも違ってくるのです。

音と気温の関係

音は暖かい空気から寒い空気の方へ屈折する特徴があります。冬の昼間では、地面が温められて、地表付近は暖かい状態になりますが、上空に行けば行くほど空気は冷たくなります。なので、音は冷たい空気がある上空へ屈折していってしまいます。

逆に、冬の深夜は地表も冷めた状態で、逆転層などで上空に暖かい空気が入り込んだとすると、音は先ほどとは違い、地上と平行方向に屈折しようとします。これによって、冬の寒い日や天気が悪く冷たい空気が流れ込んできたときは、遠くの飛行機のエンジン音がいつもよりも大きく聞こえてきたりするのです。

今回は、冬の冷たい空気の時はより遠くの飛行機のエンジン音が聞こえてくることがあるというお話でした。