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パイロットがフライト中にトイレにいきたくなったらどうするの?

パイロットがフライト中にトイレにいきたくなったらどうするの?

国内線だと数十分のフライトから、国際線だと十数時間に及ぶフライトもあります。コックピットの中で旅客機のパイロットがトイレに行きたくなったら、どうするのでしょうか?

それは、乗客と同じトイレを使用します。エアバス式A320には、前方に1箇所、後方に2箇所トイレがついています。

パイロットはタイミングを見計らって、前方のトイレを使用します。コックピットからパイロットが出てきて、長いことトイレ待ちをしていたら、乗客としても誰が操縦しているのか心配になったり、お互いに気まずくなってしまうことでしょう。

それならば、パイロットはトイレ待ちをしないように、どのように確認をしているのでしょうか?

どうやってトイレが空いているか知るのか?

トイレに立つにも、パイロットはなるべく早くコックピットに戻ってきたいです。なぜなら、コックピットで操縦士が一人になった時に、気を失ってしまっては操縦する人がいなくなってしまうからです。

そんな時に、正面から他の機体が近づいてきたら、避ける人がいなくなってしまいますし、管制官の突然な指示に従うこともできなくなってしまいます。

自動操縦があるので、飛行機は簡単には墜落したりはしませんが、少しでも予想できる危険な状態を少なくすることが望まれます。

それなのに、トイレの行列にコックピットの外に出て並ぶのは、ナンセンスと言えるでしょう。

なので、コックピットを出る前にトイレに人が並んでいないか確認する必要があるのです。

コックピット内から、トイレが空いているのを確認する方法が全部で3つあります。

1つ目は、オーバーヘッドパネルに前方トイレが使用中かどうかランプで教えてくれます。誰かがトイレを使用していると、緑色のランプが点灯して、使用中であると知らせてくれます。

2つ目は、コックピットのドアの前に付いている、カメラを使用する方法です。コックピットドア付近についている数台のカメラで、コックピットドア前の状況を見ることができるのです。

パイロットはドアを開ける前に、様子がおかしな人がドア前に立っていないかや、トイレの前に長い行列などがないかなど確認ができます。

3つ目は、スパイホールというのぞき窓で確認する方法です。コックピットのドアには、家についているようなスパイホールという覗き穴がついています。

こののぞき穴を覗いて、実際に目で外に誰もいないか確認することができます。

コックピット出る時どうするの?

2人乗りの飛行機のパイロット1人が、外に出るということはリスクが伴います。いつ何時緊急事態が発生するかはわかりません。

なので、残るもう一人のパイロットは酸素マスクを着用します。急減圧が発生したら、すぐに降下開始をしなければなりません。

多くの民間旅客機は、燃費向上のため空の高いところを飛行しています。行き先にもよりますが、約3万5000フィート以上の高度での飛行が多いです。

財団法人航空医学研究センターによると、3万5000フィートで急減圧になった時の有効意識時間は45秒だそうです。4万フィートだと30秒ほどになります。

By 乗員の健康管理サーキューラー

この時間はあくまでも目安ですが、これを過ぎるとHypoxia(ハイポキシア)と呼ばれる、体から酸素が足りなくなるとても危険な状態になります。

酸素がなくなると、だんだんと眠るように意識がなくなっていきます。

なので、パイロットは30〜45秒の間に急減圧に気がつき、酸素マスクをつけて安全な高度へ降下しなければなりません。

有効意識時間は人によって個人差があります。タバコを吸われる方は、有効意識時間が短くなってしまう傾向があります。

また、同じ人にでも体調が優れない日や疲れが溜まっている時などは、有効意識時間が短くなってしまいます。

飛行機が降下を開始して、もし前方に高い山脈などがあるなら避けなければならないですし、下方に他の機体が飛行しているかもしれません。そんな中、なぜ急減圧が起こったのか原因究明も必要です。

モタモタしていると乗客乗員全ての人の命に関わります。一人でそんな作業を行おうとすると、タスクがとても多くなってしまいます。

なので、あらかじめマスクを着用しておくと、酸素が少なくなってきて気がつかないリスクも下げられます。さらに、緊急事態の手順も一つコンプリートされ、やらなければいけない大切なことがひとつ減ります。

続いて、2015年3月に恐ろしい事件が起きました。ドイツの格安航空ジャーマンウィングスの副操縦士が、機長がトイレに席を立った際に、内側からロックをかけ、飛行機を道ずれに自殺を図ったのです。

By Sebastien Mortier – CC by 2.0

それ以来、パイロットをコックピットに一人っきりにしないようになりました。どちらかのパイロットが飛行中に席を立つ際には、キャビンアテンダントが一人入室します。

それによって、残された操縦士の安否確認、緊急事態があった際の補助、ジャーマンウィングスのような事件が起きそうなら、その阻止を試みることができます。さらに、人の目があることにより、抑止効果も生まれることでしょう。

このように、ただ適当にトイレに立つのではなく、色々なことを想定して飛行機の安全運航は保たれているのです。

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