【航空機事故】ターキッシュ エアラインズ1878便着陸失敗事故
今回は、2015年4月25日に引き起こってしまった、ターキッシュエアラインズ1878便の事故についてご紹介します。
概要:
- 出発地:ミラノ・マルペンサ国際空港
- 目的地:アタテュルク国際空港
- 使用機材:A320-200(TC-JPE)
- 乗員:5名
- 乗客:97名
- 犠牲者:なし
ターキッシュエアラインズ1878便(TK1878)着陸失敗事故は、目的地であるアタテュルク国際空港で引き起こされました。
TK1878便は順調に離陸、水平飛行、アプローチを行なっておりました。視程も良好で、風も5ノット程度の弱い風しか吹いておりませんでした。
【着陸時のMETAR】
- LTBA 250750Z 20004KT 160V240 CAVOK 15/07 Q1020 NOSIG
- LTBA 250720Z 17005KT 140V200 CAVOK 15/05 Q1020 NOSIG
現地時刻10:23分に、アタテュルク国際空港のRWY05に接地手前、100ftで機体が大きく右に傾き、テイルストライクと右の着陸装置を損傷しました。
それにより、着陸装置付近の油圧の配管が破損し、右主翼の油圧系統が一部使えなくなりました。
機体は着陸復行を行い上昇している最中、乗客が右主翼から火が出ているのを発見しました。
機長は、緊急事態を発令し先ほどとは違う滑走路「RWY35L」に緊急着陸するべく準備を整えました。
1回目の着陸から約20分後の、現地時刻10:41分にRWY35Lに無事着陸しました。
しかし、右側の着陸装置が損壊していたため、右側の摩擦が大きくなり、接地後約180度右旋回してしまいましたが、横転は避けられました。
空港の消防隊により機体は消火され、乗員乗客は無事に緊急脱出に成功しました。
原因:
詳しい事故原因はトルコ事故調査員会が調査中ですが、事故を引き起こした乗員は、前を飛行していたボーイング787ドリームライナーの後方乱気流により、ハードランディングした可能性があると話しているそうです。
まとめ:
後方乱気流は目に見えないことが多いですが、とても怖いものです。
過去にも、アメリカン航空587便や、メキシコシティーでもチャーター機が後方乱気流で事故を引き起こしております。
このような事故が起きないように、後方乱気流区分というものを設けて、出発や到着機の間隔を時間で調整しております。
【後方乱気流区分】
- Heavy:136t以上
- Medium:7tを超え、136t未満
- Light:7t以下
B787の最大離陸重量は、約247tでHeavy機に分類されます。
A320の最大離陸重量は、国内線:67t 国際線:77tでMedium機に分類されます。
より重たい飛行機の方がより大きい力の後方乱気流を作り出します。
そして、より軽い飛行機はその影響を受けやすいのです。
後方乱気流は地面に着くと、無風時では左右に広がっていきます。その速度は、3~4kt程度と言われております。
後方乱気流が一番滑走路に残りやすいのは、斜め後ろからの風です。左右の斜め後ろから3~4kt程度で風が吹いていると先行機のタッチダウンポイントに後方乱気流が留まってしまい、とても危険なのです。
今回の1回目の尻もち着陸の際のMETARは、右後ろから4~5ktの風が吹いておりました。
これにより、後方乱気流の影響を受けてしまったのかもしれないですね。
【参考文献】
- 「ターキッシュ エアラインズ1878便着陸失敗事故」(2019年2月25日 (月) 02:23 UTCの版)『ウィキペディア日本語版・英語版』