【航空英語能力証明の体験談】実地試験は、どういう流れなの?
今回は、「航空英語能力証明」実地試験の体験談を書いていこうと思います。
航空局訪問まで
無事に実地試験受験の手続きが終わると、試験がある前の月の終わり頃から、試験がある月の初めまでに航空局航空安全課の担当の方からメールがきます。
受験当日の持ち物の再確認や、航空局への入館方法など写真つきのPDFファイルを添付してくれます。
受験当日はその通り進んで、入館手続きをすると試験の部屋の前で受付をします。
この受付で、
- 実施試験成績報告書(所要事項を記入・押印したもの)※忘れた場合は不合格
- 既得技能証明書原本(更新の場合は航空英語能力証明書)※忘れた場合は不合格
- 返信用封筒(書留相当:519円分の切手貼付たもの)※忘れた場合は結果の通知ができない
を提出します。
自分の試験開始15分前が集合時間になっています。
一人約30分ずつの持ち時間で割り振られていますが、自分の順番が午前や午後の後の方だと、どんどん試験時間が巻いていって集合時間にはもう始められる状態だったこともあります。
順番にもよりますが、集合時間の更に15分前には受付を済ませておくといいと思います。
受付が終了すると、待機する椅子が準備されているのでそこに腰掛けて待っておきます。
前の人の試験が最後の方に差し掛かると、受付の係りの方が試験に関しての説明をしてくれます。
例えば:
- 「テスト前にトイレに行っておくこと」
- 「携帯電話や音が出る機器の電源を切るか、音が出ないようにしておくこと」
- 「テスト中はメモを取ってもいいが、メモは持って帰らず机の上に置いて帰ること」
など説明を受けて、少しすると前の順番の人が試験を終えて部屋からでてきます。
そして、いざ自分の番となり入室します。
導入(Warm Up)
室内に入ったら、椅子が1脚と荷物を置く椅子が1脚用意されています。
正面に試験官の方が座られ、先ほどとは違うアシスタントの方がボイスレコーダーを2つ回して、自分の席より後ろの視界に入らない所に座られます。
ボイスレコーダーが回ったら、試験官が:
- 挨拶
- どこから来たのか
- 所属している航空会社
- 最近飛ばしている飛行機の種類
- 最後にいつ飛行したのか
- 今月の飛行時間
など、雑談をして緊張をほぐしたり、英語に慣らすためにいくつか質問をしてくれます。
僕は、午後の遅い時間だったので、試験官は朝から長くて大変だと、緊張をほぐすようなジョークをおっしゃってました。
ちなみに、ここまでは試験の結果には影響を与えないとされています。
Single Picture Card
大体緊張がほぐれた頃に、1枚の絵が渡されます。
はじめに、そこの絵を説明してくれと言われます。
これは大体3分ぐらい喋られるようにすればいいのでしょうか。
私は、3分も喋らずに説明が終わってしまったので、少し時間が余って何か喋らないといけない雰囲気が気まずかったです。
私が受けたときは、空港のランプエリアに双発プロペラ機が駐機してあり、飛行機のエンジンが故障してメカニックが修理している絵でした。
コックピットには操縦士がいる状態で、左後方の乗降口が開いている状態でした。
一通り絵の説明をすると、「実際にエンジントラブルに遭遇したことはあるのか?」と聞かれて、僕は「ない」と答えたら、もしエンジントラブルが発生したら、パイロットのリスポンシビリティは何かと聞かれました。
模擬ATC及びフライトの描写
設定のリストが手渡されます。
- 出発空港
- 目的地空港
- 使用機材
- アプローチタイプ
- 使用滑走路
- 現在天気
などです。
これを大きな声ではっきりと朗読しろと言われるので、読み上げると、今度は先ほどとは違う絵が渡されます。
私のシチュエーションは、ちょうどアプローチ中でランディングギアを下ろしたが、Nose Gearだけ降りていない状況が描かれていました。
その後、僕がパイロットで試験官がATCを行い、実際のATC業務を模擬します。
とりあえず、トラブルシュートできるように、一度Go Aroundして、Holding Pointまで行ってホールディングを要求しました。
そしたら、Radarにコンタクトするように移管され、RadarにコンタクトしたらIntentionを聞かれました。
Sequence Picture Card
最後に、4コマか6コマの絵が描かれた絵が渡されます。
聞いた話によると、4コマを渡されたら、試験通過してもLevel 4以下で、6コマをわたされたらLevel 5かLevel 6の見込みなんだとか…。
一つずつ自分の体験談のように説明していき、過去形を使うなど時制に気をつけるところがポイントだそうです。
私が与えられたストーリーは、羽田空港にアプローチをしていた所滑走路に降りられなくなってしまい、ホールディングを行なっていました。その他2カ所のAlternate Airportにもいけなくなってしまうという流れでした。
実際に遭遇したら、とても恐ろしい状況です。
集結(Wind Down)
最後に、この後どうするのかなど聞かれて、試験は終了します。
最後のこのパートも、試験の点数には関係ない雑談となります。
試験を終えて、退出してそのまま解散という流れです。
試験結果は、その時の受験人数にもよるらしいですが、概ね2ヶ月後だそうです。
まとめ
日本で生活していると、なかなか英語を使わないので準備が必要ですね。
また、日常会話だけでなくATCを模擬したりするので、Call Signを間違わないようにしたり、HDGや高度の指示を聞き取り、間違わないようにするのは、ATCのスキルも必要ですね。
航空英語能力証明の対策や練習問題が市販されているので、それで前々から練習しておくといいかもしれないですね。