FCOM(The Flight Crew Operation Manual)とは?
FCOMってなに?
FCOMって言葉聞いたことありますか?
これは、「エフコム」と呼び、次の頭文字からできています
FCOM:The Flight Crew Operation Manual
FCOMは、エアバス社が製造する機体の取扱説明書のようなものです。
製造された機体をどのように操縦すれば、飛行機の設計内で安全に効率よく運行できるのか、使用者に伝えてくれるものなのです。
なので、各航空会社やパイロット1人1人がしっかりと、FCOMが頭に入っていないと、飛行機を安全に飛ばせないでしょう。
車であれば、何か問題が起これば路肩に停車して、使用取り扱い説明書を読み始めればいいかもしれないですが、上空では飛行機は止まることができないです。
FCOMで提供されるものは:
- 飛行機のシステムの情報
- 飛行機のパフォーマンス
- 手順(通常時、緊急時)
- 運用限界(Operating Limitation)
それぞれの航空会社によって運航手順が違うところもあるので、FCOMはそれぞれの航空会社に向けて作成されているページもあります。
なので、その会社のやり方に従わなければいけないので、パイロットはそれぞれの航空会社が提供するFCOMに従って、飛行機のオペレーションを行います。(元々はエアバス社が発行)
航空会社で採用されたパイロットの卵や、転職組のパイロットの訓練もFCOMを元に訓練が進められます。
このマニュアルの意図の範囲外:
- ベーシックパイロットスキル
- ジェット旅客機の飛ばし方や情報
- ベテランパイロットのエアーマンシップ
- 通常手順の特徴
FCOMはAFM(Airplane Flight Manual)を補完する部分もありますが、AFMとFCOMが提供するデータの相違があるときは、AFMを参照しなければいけないです。
なので、FCOMと比べて、AFMが上位規定と言えるでしょう
【マニュアルの上下の関係性】
- AFM > FCOM
FCOMをサポートする立ち位置として、FCTM (Flight Crew Techniques Manual)というものもエアバス社から提供されています。
【関連】
FCOMの5つのセクション
- Aircraft Systems:飛行機に装備されているシステム
- Procedures:通常の手順(SOP)、Supplementary Procedures、Abnormal and Emergency Procedures, Special Operations
- Limitations:リミテーション
- Operations Engineering Bulletins (OEB):すぐには改修できないけれど、運行者は知っておくべき情報や対応策
- Performance:各フライトフェーズにおいての、飛行機のパフォーマンスに関しての情報