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計器のスキャンニングの方法とその大切さ

計器のスキャンニングの方法とその大切さ

誰しも初めは飛行機をうまく飛ばすことができません。

では、うまく飛ばせる人とそうでない人は、どこが違うのでしょうか?

それは、スキャンニング力の差によって、違いが生まれています。

搭乗時間が増え飛行機に慣れてくると、スキャンニングが上達していきますが、あることを心して毎回フライトで訓練している人と、そうでない人はいずれ大きな差が生まれることでしょう。

今回は、出来るだけ早いうちから身に付けたい、飛行機を飛ばす力の差を生み出す、シンプルだけととても大切な、スキャンニングについて見ていきましょう。

計器の分類

コックピット内の計器は、多くの情報をパイロットに伝えてくれています。

では、まず初めにコックピットの中の計器を大きく分けて3つのカテゴリーに、分類することができますか?

分類するコツは、計器が与えてくれている情報で分けることです。

答えは:

  • コントロール系計器
  • 状態系計器
  • 航法系計器

の3つです。

【コントロール系計器】

コントロール系計器は、パイロットのインプットを反映して、飛行機を思い通りに操るために必要な計器です。

飛行機を操るには、機体の「姿勢」と「パワー」を操ってあげることです。

機首を上げれば上昇していきますし、バンクをつければ旋回、パワーを足せば加速など、パイロットの意図がそこには出ます。

コントロール系計器は具体的に何かと言うと、「Attitude」と「Thrust」に関係するもの全てです。

  • Attitude Indicator
  • Thrust : N1

Thrust系の表示がない航空機は、Fuel Flow Indicatorで代用が可能でしょう。

コントロール系計器(A320):Attitude Indicator
コントロール系計器(A320):パワーコントロール

3つの内、このコントロール系計器が、飛行機を操縦する上で一番大切なものです。

なので、初めからはなかなか難しいかもしれませんが、飛行機の上昇、クルーズ、アプローチの各Phaseに置いて、どのぐらいのピッチでどのぐらいPower Settingが必要なのか、フライトする毎にデータを取っていき、暗記してしましょう。

飛行機を乗り換えるとまた新しいSettingを覚えなおす必要があります。

このセッティングを覚えると、毎回同じように安定して飛行機が飛ばせるようになるのと、同じタイプの機体での個体差があるを感じることができるようになります。

【状態系計器】

状態系計器は、飛行機の状態を知らせてくれる計器です。

今どの高さにいるのか、どのぐらいの速度で飛行しているのか、上昇率はどのぐらいなのかなどです。

具体的には:

  • Altimeter
  • Speed Indicator
  • Heading Indicator
  • Vertical Speed Indicator

です。

状態系計器(A320)

【航法系計器】

3つ目の航法系計器は名前の通り、航法設備を利用して、ルートを示すのに必要な計器です。

A空港からB空港へNavigationする時に必要です。

具体的には:

  • ND (Navigation Display)
  • ILS
  • VOR
  • ADF

です。

航法系計器(A320)

スキャンニングが悪い理由

なかなかうまくスキャンニングが出来ていないなと思ったら、次の3つの質問を自分にして見てください。

  1. 計器が示している意味を理解していますか?
  2. 必要な計器を必要な時に見ていますか?
  3. 今後どのように計器は変化するか予想できていますか?

【計器が示している意味を理解していますか?】

コックピットの計器はとても多く、さらに数字ばかりで初めは、どの計器が速度を示していて、どの計器が高度を示しているのかわからないかもしれないです。

一刻も早く、どの計器がどの情報を与えているのか頭に入れるのと、その計器はどこにあるのか体になじませて、すぐにその計器に目がいくようにすることで、スキャンニングの技術が向上するでしょう。

また、Attitude Indicatorのピッチは10°や20°には数字が書いてありますが、その間にある細い横棒や中ぐらいの長さの棒は何度を示しているのか知っていますか?また、一眼しただけで今何度ピッチか判断できますか?

  • 細い棒:2.5°
  • 中ぐらいの棒:5°
  • 長い棒:10°

【必要な計器を必要な時に見ていますか?】

人間は1つずつしか物事を見て判断できません。

なので、全ての計器を同時に見続け判断することは不可能なのです。

ならば、数多くある計器のうち1つずつを素早くスキャンニングしていき、短時間でより多くの計器のスキャンニングをする事ができれば、より小さいうちにずれに気がつく事ができます。

さらにスキャンニングの速度を速くするならば、必要な時に必要な計器を重点的に見るようにしたら、より確実でさらに速いスキャンニングができるようになります。

今は見る必要がない計器を見ることを省ければ、よりスピーディーにスキャンニングができるからです。

どんなフェーズでもいつも同じように同じ計器を見ていては、大事な情報を伝えようとしている計器を見逃してしまったり、それに気がつくのが遅れ大きな修正や失敗の元になります。

【今後どのように計器は変化するか予想できていますか?】

アプローチ中に、Flapを下ろしたらどうなりますか?

フラップを下ろすと、フラップのIndicatorにフラップが降りたと表示されます。しかし、それが大切なのではありません。

フラップを下ろすと、抵抗が増えるので機体が減速しようとするかもしれません。

また、フラップアップの状態から一段下ろすと、揚力が増して機体が上に持ち上げられようとするかもしれません。

事前に、今自分の取る行動がどのような副作用があるのか考える事が大切です。

副作用が出そうな時には、一足早く予測して、適切な高度を取り、先回りしてその影響が現れる計器に目をやておくと、初動で対応ができるようになります。

例えば、もしフラップを下ろす際に今の高度を維持したいのであれば、フラップを下ろす作業と同時に、少しPitch Downのインプットをしてあげると、フラップによって機体が持ち上げられるのを抑える事ができるでしょう。

フラップを下げて、高度計が上にずれたのを確認してから、Pitch Downの作業を開始したのと、あらかじめ予想してFlap Downしたと同時に少しPitch DownのInputしてあげるのとでは、飛行機の安定に関して大きな差になるでしょう。

一回ずれたものをまた元に戻すには大きな労力が必要ですが、ずれる前にちょっと操縦桿を動かしておくだけで、その高度が保てるのであれば、後者の方が断然修正量が小さく楽にすむからです。

基本的な流れ

ここまでのおさらいで、実際にどのように飛行機をコントロールしたら、いいのか基本的な流れを見ていきましょう。

  1. どのように機体が動いて欲しいのか決まったら、それにあった「Pitch」と「Power」を作ってあげます。この時確認する計器は「コントロール計器」です。
  2. 次に、自分のインプットが正しくアウトプットされているのか確認しなければいけません。「状態系計器」で所望の「高度」「速度」「コース」にいるのか確認します。下調べしてきた「Pitch」と「Power」が正しいのか判断できます。
  3. もし、機体による個体差などがあるのであれば、「コントロール系計器」を微調整してあげます。

この1から3を繰り返す事で、飛行機をより思い通りに操る事ができるでしょう。

うまくいかないのであれば、何が悪いのか分析をします。

機体がいつもより重たくなれば、いつもよりPowerが必要だったり、天候によっても左右される事があるでしょう。

そのような、データ1つ1つが自分の財産になる事は間違い無いでしょう。

スキャンニングのパターン3選

スキャンニングのパターンは人によって違って問題ないと思いますが、私が聞いた事があるスキャンニングのパターン3選をご紹介します。

スキャンニングパターン1
スキャンニングパターン2
スキャンニングパターン3

まとめ

いかがだったでしょうか?

ちょっとした違いですが、今回のことを頭にいれて飛行すると、上達する期間が短くなることでしょう。

また、時間が経つにつれ大きな差を生む事でしょう。

ただ、感でフライトをしていて、今日はうまくいった、うまくいかなかっただけだと、再現性が低くなってしまいます。

毎回同じようにフライトができるようにする為にも、1回1回のトレーニングからデータ取りをし、次に活かせるようにするときっと素晴らしい結果が待っている事でしょう。

最後に1つ追加して、PitchとPowerをセットして、所望のアウトプットが出るまでには、少し時間がかかります。

セットしてすぐに、なんで思った速度や高度にならないのか焦りは禁物です。

アウトプットに対する反応は少し遅れて出てくることを頭の片隅に入れておいて、少し間を空けてから必要ならばアウトプットの微調整をしてあげましょう。

せかせかしないで、ゆったりと操縦をする方がうまくいく事が多い気がします。

今回は、なんだかんだ一番大切であろう計器のスキャンニング方法についてご紹介しました。

 

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