フライトトレーニングを始めるにあたって、フライトスクール選びはとても大事な要素ですよね。
どういうフライトスクールがいいスクールだと思いますか?
生徒数が多い所ですか?
卒業生の就職率が高い所ですか?
金額が安いところですか?
アメリカのフライトスクールは、「FAAの認定を受けた学校」「未認定の学校」「インストラクター個人経営の学校」などがあります。
こうした、フライトスクールを見極める方法は、フライトスクールが3つに分けられており、14 CFR Part 142, 141, 61と分類されています。
自分が通おうとするフライトスクールは、どのPartにそった学校かを事前に知ることで、入学後に思っていた学校と違うと落胆せずに済むでしょう。
今回は、3つのタイプのフライトトレーニングセンターの特徴をご紹介します。
14 CFR Part 142のフライトスクール
Part 142に属するフライトスクールは、FAAの認可がおりている学校です。
この学校で提供される「カリキュラム」「施設」「メンテナンス」「搭載機器」「職員」などの項目すべて、FAAに認められたものしか提供してはいけないことになっています。
このような施設には、フライトシミュレータを多く使用したカリキュラムが組まれることがあります。
提供されるカリキュラムは、エアラインや航空機使用事業のパイロット育成に多く使われるため、日本から単身で向かう人にはあまり馴染みがないかもしれないです。
しかし、「自家用操縦士」「事業用操縦士」「計器飛行証明」「定期運送用操縦士」の免許を取得するためのプログラムも提供している施設もあります。
14 CFR Part 141のフライトスクール
FAAの認可がおりた学校でお探しなら、多くの人がPart 141のフライトスクールを選ぶことでしょう。
Part 141も142と同様、FAAの認可がおりている学校なので、「施設」「メンテナス」「搭載機器」「職員」はFAAに認められたものでなければいけません。
さらに、トレーニングコースの概要(TCO: Training Course Outline)も、FAAに認められたものを使用します。
「座学」と「実技フライト」が別々に認可がおります。
なので、表向きはPart 141のスクールであるとうたっていても、「座学」だけがPart 141だけでフライトはPart 61である可能性があります。
Part 141として認められている学校のメリットは、その学校の中で、免許のための「筆記試験|Computer administered written tests」や「フライトの実技テスト」を行うことが認められています。
いつも通い慣れた建物の一部でパソコンに向かって筆記試験を受けられたり、いつも飛行練習をしていた空港や空域で試験が受けられることが多いです。
14 CFR Part 61のフライトスクール
とてもいい学校だけど、FAAがPart 141の学校として求められていることにそぐ合わない学校が、Part 61に分類されます。
FAAの認可が下りていない小規模なトレーニングセンターや、インストラクターが個人で事業を始めたケースなどが多いです。
Part 141と比べて目劣りするように感じるPart 61ですが、Part 61にはPart 61の強みがあります。
それは、柔軟性です。
Part 142や141などは、FAAにプログラムが認められているので、勝手にプログラム変更ができません。
しかし、Part 61はその辺柔軟性があるので、個人のレベルに合わせてフライトプログラムを組み立てることができるのです。
Part 141が公立の学校だとしたら、Part 61は家庭教師のような感覚でしょう。
Part 61では、最低限提供すべき知識やフライト時間が決められているだけなので、それをどのように提供しなければいけないなど細かいところは決まっていません。
しかし、逆にその柔軟性の高さがデメリットになることがあります。
インストラクターなどがしっかりしていないところは、フライト時間を無駄にしてしまうかもしれません。
しっかりと生徒のレベルを見極め、必要なプログラムが組める学校であるかどうか、生徒として事前に見極めなければならないでしょう。
いいインストラクターであるかどうか見極める方法があります。
それは、事前にトレーニングシラバスを見せてもらい、シラバスがしっかりと文章化されているかどうか見極める方法です。
Part 61は柔軟性が売りなので、実際にトレーニングフライトをしてみてシラバスを決めるとしているところは、ただ単にトレーニングの目安が一切立っていないところと区別ができないからです。
その場しのぎでインストラクターが毎回シラバスを組み立てるところは、レッスンが被ったり無駄が多くなってしまう可能性が高いです。
まとめ
Part 142や141などの、FAAに認められた学校では、高い水準のトレーニングが期待できるでしょう。
座学やトレーニングのプログラムなどを、FAAに事前に厳しくチェックされているからです。
さらに、FAAがしっかりと認めた学校で学ぶメリットは、免許取得までの最低フライト時間などが若干短くすることができます。
例えば、FAAの自家用操縦士免許を取得するには、通常40時間(Part 61)の飛行経験が必要なところ、Part 141の学校では35時間で良いとなっています。
もちろん、個人の出来次第でそれ以上の時間がかかってしまうこともあります。
ちなみに、自家用操縦士免許取得までかかる時間の平均は60〜75時間程度となっているようなので、多くの人にとっては関係のないことなのかもしれませんね。
FAAの認可が下りている学校を探したい人は、Pilot School – Searchというサイトで、フライトスクールを検索することができます。
行きたい学校の名前が決まっていなくても、自分の行きたい州別に調べることも可能です。
南の方の海沿いの州などは、上空からの眺めも綺麗で楽しそうですね。
内陸は、遊ぶところや観光する場所が少なく、フライトに集中することができるかもしれないですね。
【参考文献】
- Pilot’s Handbook of Aeronautical Knowledge (PHAK) – CH1
- Types of Pilot Schools & Choosing a Pilot School
- Pilot Schools – Search|FAA
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