飛行機が飛ぶ速度の単位は何?エアスピード4種類の違いは?

日本に住んでいると、速度の単位は「時速◯◯km」が普通ですよね。

しかし、日本の国内線しか飛ばない飛行機でも、km/hは使いません。

では、一体どのような単位を使っているのかご存知ですか?

また、飛行機が飛ぶ速度のことを、エアスピードと言います。

そのエアスピードは、4種類あるのをご存知ですか?

今回は、飛行機が飛ぶ速度について見ていきましょう。

飛行機の速度の単位は?

日本人にとって、距離を表す単位として、キロメートル(km)が一般的です。

しかし、飛行機の飛行距離を表すものは「ノーティカルマイル」(NM|Nautical Mile)や、日本語で「海里(かいり)」を使用します。

また、マイレージサービスなどのように、単に「マイル」とも呼ぶことが多いです。

その距離の単位を使用して「時速◯◯NM」、「ノット|Knot」を使用します。

飛行機に使われている呼び名などは、船からの影響がとても大きいです。

例えば、飛行機の機体のことをシップと呼んだり、機長のことをキャプテンと呼んだりするところが船の世界と同じです。

この速度表記「ノット」も船と同じものを使用しています。

1海里は、「1,852メートル」です。

覚えにくい数字ですが、これは地球を1度単位で輪切りにした時、緯度1分に相当する長さなのです。

出典:Lidingo

船が航行する時に、この単位を使うと便利なので広まりました。

英語では、「Nautical Mile」の他に、海で使われるので「Sea Mile」とも呼ばれています。

しかし一般的に、マイルは2つの種類があります。

もう一つのマイルは、「陸上マイル」です。

アメリカで走る車は、この陸上マイル表記になっています。

同じマイルと略されても、海里と陸上マイルは違います。

1陸上マイルは、「1,609メートル」です。

海里に比べて、若干短いのがわかるでしょう。

フライトコンピューターで変換

初めのうちは、時速何ノットで飛行しているといわれても、ピンとこないでしょう。

しかし、パイロットのように毎回、高度はフィート、速度はノットを使用していると慣れるものです。

飛行速度制限など、飛行機に関係する全ての速度がノット表記なので、逆にキロメートルに換算する必要がありません。

車のように、今時速何キロで移動しているのか知りたくなるときもあります。

そんな時は、先ほどの数字(1NM=1,852m)で計算することができますが、フライトコンピューターを使って変換することもできます。

リンクを貼っておくので、気にする方はこちらからどうぞ。

IAS, CAS, TAS, GSの違いを知っている?

IAS (Indicated Airspeed|指示対気速度)

指示対気速度は、ピトー管とスタティックポートからの情報を、コックピットの計器に表示してくれます。

パイロットは通常、このIASを使用して飛行機をコントロールします。

しかし、飛行機は上空では上下左右に動いたり、スリップやスキッドなど、あらゆる方向に機首が動きます。

これにより、毎回ピトー管に正しい角度で気流が入るとは限りません。

ピトー管にまっすぐと気流が当たらないと、正しい対気速度の値が出ません。

それが誤差となって現れてしまいます。

また、ピトー管の取り付けるときにもどうしても誤差が出てしまい、IASはこれらの誤差のまま表示してしまっています。

誤差はそれほど大きくないので、ほとんどの場合は許容範囲内です。

CAS (Calibrated Airspeed|較正対気速度)

較正対気速度は、IASの誤差を補正したものです。

この速度は、飛行機の離着陸、フラップやランディングギアの速度の規定などに使われます。

EAS (Equivalent Airspeed|等価対気速度)

飛行機は空に浮かびます。

離着陸時は、空気の密度が最大で、上空に上がれば上がるほど空気圧は下がっていきます。

また、ジェット機のように高速で飛行すると、ピトー管にとても強い気流があたり、その周りの空気の圧力が高くなります。

等価対気速度は、そんな高度や飛行速度からくる圧力誤差を海面上の標準状態で測った時と同じになるように補正したものなのです。

TAS (True Airspeed|真対気速度)

空気の密度は日によって変わったり、場所や高度によって変わります。

真対気速度は、EASに空気の密度の誤差を補正したものです。

まとめ

飛行機は、キロメートルではなくノットで飛行していることをご紹介しました。

また、それは船からの名残であり、1NMは緯度1分に相当する長さで、1,852mであることがわかりました。

また、飛行機の速度はノットを使うけど、計器に表示されるIASだけでは、誤差が出てしまいます。

なので、いくつかの誤差に対応したエアスピード4つをご紹介しました。

ちなみに、左側の速度の頭文字をとって「ICE-T|アイスティー」と覚え、右側の誤差たちの頭文字をとって「とあみ」と覚えると、後で振り返った時に、どれがどんな誤差を補正していたのか思い出しやすくなるでしょう。

今回は、飛行機の速度の単位についてご紹介しました。