【レドーム①】レドームって何?中身は?厚さは?材質は?

【レドーム①】レドームって何?中身は?厚さは?材質は?

「レドーム」という言葉を聞いた事がありますか?

今回は、飛行機の先端についているレドームについて次の点で見ていきたいと思います。

  • どんなものなのか?
  • レドームの中には何が入っているのか?
  • レドームの厚さはどのぐらいあるのか?
  • レドームの素材は何でできているのか?

レドームとは?

レドームとは、飛行機の先端に取り付けられたドーム型のカバーのことを指します。

英語で「Radome」と書き、英語の「Radar:レーダー」と「Dome:ドーム」からきています。

また、戦闘機に取り付けられているより先が細いレドームを「ノーズコーン」と呼んだりします。

レドームの中には何が入っているの?

レドームを外した戦闘機

飛行機の先端には、レーダーアンテナなどが入っており、それらが剥き出しになっていると、ちょっとした衝撃を受けて壊れてしまったり、アンテナに当たる空気が抵抗を生んだりし、運航効率が悪くなってしまいます。

それらの精密機器を「雨」「埃」「雪」「氷」「砂」「太陽光線」などからレドームが守ってくれています。

また、地上などでレーダーの可動部などに人が挟まれないようにする役目もあります。

レドームの厚さは?

レドームの厚さは、どのタイプを使用するかによりますが、多くのレドームは以下の2点で構成されています:

  • 風防を担う膜:1.02mm(0.040inch)
  • 個体ラミネート:2.29mm(0.09inch)

そして、レドームは、これらが2層や3層で構成されています。

なので、レドームの厚さはおおよそ6〜9mm程度になります。

レドームの材質は?

航空機の先端についているという事は、その強度がとても大切です。

強度を上げると同時に、「重さ」と「コスト」はできるだけ下げなくてはいけません。

航空機のレドームの中にはレーダーが設置されている事が多いので、レドームを構成する材質も大切です。

電波の透過率がとても大切で、航空機に使用されるアルミニウムなどの金属は使う事ができません。

現在では主に「グラスファイバー」「グラスウール」「フッ素樹脂加工された繊維(PTFE-coated fabric)」や「テフロン」が使用されています。

また、レドームの表面加工はとても大切で、疎水性表面でなければなりません。

疎水(そすい):水になじみにくい事

雨の中の飛行など、水膜がレドームにできてしまうと、天気レーダーの電波を減衰させてしまうからです。

 

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