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【TCAS】飛行機の安全を守ってくれる空中衝突防止装置について

【TCAS】飛行機の安全を守ってくれる空中衝突防止装置について

日本語では空中衝突防止装置は1つしか言い方がないですが、英語では大きく分けて2つあるのをご存知ですか?

それは、ACASとTCASです。ACASはICAOという団体で使われている、空中防止装置の名前です。主にヨーロッパなどで空中防止装置を意味するときに使います。

TCASは主に米国で使われています。実運航で使われている空中衝突防止装置は主に米国製のものが多いので、システム名がTCASのことが多いようです。

それぞれのフルネームは:

  • ACAS : Airborne Collision Avoidance System
  • TCAS : Traffic Collision Avoidance System

TCAS (ACAS)とは?

ほぼ全ての旅客機にはATCトランスポンダーが装備されております。そのATCトランスポンダーのMode-S信号を利用して、相手機に対して方角、接近率、相対高度(相手機がMode-C or S装備機のとき)を自動で計算してくれます。

それによりある一定以上航空機同士が近づいたら、お互いのパイロットに警告をしてくれる装置なのです。

トランスポンダーの種類

まず、トランスポンダーとは造語です。英語で「TRANSPONDER」と書きます。これは、「TRANSmitter(送信機)」と「resPONDER(応答機)」の組み合わせで作られました。

トランスポンダーはその性能でレベル分けすることができます。そのレベルのことをモードと呼び、トランスポンダーのモードは大きく分けて、3つに分けられます。それぞれ:

  1. Mode A:
  2. Mode C:A + ALT情報
  3. Mode S:C + 質問信号

です。それぞれによって、得られる情報が違うのが特徴です。Mode AからSにいくにつれて、より情報のやりとりができるようになったと言えるでしょう。

TCASの搭載義務

ICAOの条約付属書では、客席数が19、または最大離陸重量が5,700kgを超えるタービンエンジン装備機につける必要があると記載があります。

それでは、各国や地域ではどのような対応をしているのでしょうか。

日本(JCAB):

日本では航空法施工規則第147条に記載があります。

第百四十七条 法第六十条の規定により、航空運送事業の用に供する航空機に装備しなければならない装置は、次の各号に掲げる装置であつて、当該各号に掲げる数量以上のものとする。
一 航行中いかなるときにおいても航空交通管制機関と連絡することができる無線電話 一(最大離陸重量が五千七百キログラムを超える飛行機にあつては、二)
二 ILS受信装置(ILSが設置されている空港等に着陸する最大離陸重量が五千七百キログラムを超える飛行機に限る。) 一
三 気象レーダー(雲の状況を探知するためのレーダーをいう。)(最大離陸重量が五千七百キログラムを超える飛行機に限る。) 一
四 次に掲げる機能を有する対地接近警報装置(客席数が九又は最大離陸重量が五千七百キログラムを超え、かつ、タービン発動機を装備した飛行機に限る。) 一

五 国際民間航空条約の附属書十第四巻第八十五改訂版に定める基準に適合する航空機衝突防止装置(客席数が十九又は最大離陸重量が五千七百キログラムを超え、かつ、タービン発動機を装備した飛行機に限る。) 一

航空法施工規則

航空法施工規則第147条の5項には、客席数19又は最大離陸重量が5,700kgを超え、かつ、タービン発動機を装備した飛行機に限るとなっているので、日本ではICAOの条約付属書に合わせた形となっています。

アメリカ(FAA):

客席数30 または最大離陸重量が33,000ポンド (約15,000kg)を超えるタービンエンジン搭載の民間航空機にはTCAS IIの取り付けが義務付けられている。

ヨーロッパ(EASA):

客席数19または最大離陸重量が5,700kgを超えるタービンエンジン搭載の民間輸送機にはACAS IIの取り付けが義務付けられている。

オーストラリア(CASA):

タービンエンジン搭載の商業輸送を行う航空機にはTCAS IIの取り付けが義務付けられている。

ブラジル(ANAC):

座席数19席を超える輸送機すべてにTCAS IIの取り付けが義務付けられている。

香港(CAD):

客席数9または最大離陸重量が5,700kgを超える香港登録の固定翼機にはTCAS IIの取り付けが義務付けられている。

座席数19席の機体の目安は?

ドルニエ228という機体の乗客定員は19名です。ドイツのドルニエ社が1981年に製造し、現在もヨーロッパを中心に運航されております。

1988年にJAXAが導入したり、現在でも新中央航空が所有していたり日本でもおなじみの機体です。

ドルニエ 228 : By Aerocardal Chile – CC by 2.0

相手機の分類

下の写真がNDに映る画面です。数字と、四角や丸で示されているのが他の機体の情報です。相手機は大きく分けて4つに分類されます。

Proximate: 白色で塗られた四角で表示。水平方向:6nm以内|垂直方向:1,200ft以内。

TA: オレンジ色で表示。40秒ほどで到達範囲。

RA: 赤色の四角で表示。25秒ほどで到達範囲。

Other Intruder:白色のひし形で中が塗られていない。水平方向30nm以内で、上の3つ以外の機体。

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