【大気圧】誰がどのように計測したの?
“まるで空気のように軽い”など、空気は軽いという表現を耳にすると思います。
生活している中で、今日も空気が思いなど感じている人はいないと思います。
しかし、人間の頭の上には、大量の空気が蓄積されており、まるで人間は深海魚のように、空気の底で生活をしているのです。
上空15kmまでの高さに、地球上の約90%の大気が存在しています。
空気は、窒素、酸素、二酸化炭素や他の機体の混合物です。
それぞれに僅かではありますが、重さがあります。
“チリも積もれば山となる”ということわざのように、少しの重さが上空15kmまで積み重なると、とても強い圧力を生み出しているのです。
誰が大気圧を初めに計測したの?

イタリアの物理学者、「トリチェリ」さんが初めて大気圧を測ることに成功しました。
どのように計測したの?

トリチェリさんは、「水銀」と長い「試験菅」を使用して大気圧を計測したのです。
まず、長い試験管の中を、水銀で満たしておきます。
そして、空気が入らないように試験官を立てたら、試験管のあるところまで水銀が降りてきました。
試験管の開いた隙間は、ほぼ真空状態で、水銀の高さを計測したところ760mm(76cm) でした。
この高さは、水銀の重さと大気圧が水銀を押し上げる力が丁度釣り合ったところです。
なので、大気圧の力を、何mmという単位を使って表現することに成功したのです。
この計測方法の発明により、「水銀柱ミリメートル|mmHg」という単位にもなりました。
水銀柱で気がついたこと
- 水銀柱の高さ(760mm)は、日によって違う
- 測る場所によって違う
この気づきによって、大気圧は圧力が「高い日」と「低い日」があることや、山の上で計測すると、「水銀柱の高さが低くなる=圧力が低い」ことに気がつきました。
水銀でなくてもいいのでは?
わざわざ水銀を使う理由はなんでしょうか?
それは、水銀の比重が大きいからです。
【比重】
- 水銀:約13.546
- 水(精製水):約0.998
となっており、「水」より「水銀」の方が、約13倍重たいことになります。
同じような実験を、水銀をつかわず水を使ってもできます。
その際には、約11~12mの試験管が必要になります。
まとめ
今回は、大気圧の力をご紹介しました。
一見全く重さを感じない空気ですが、15kmも上空に積み重なると水を11〜12mも押し上げる力を持つとは、驚きではないでしょうか。
大気圧を数値化する事ができた事で、飛行機の安全運航にも大きな影響を与えた事は間違い無いでしょう。