【フライトプラン】3種類の飛行計画を知っていますか?
フライトプランとは?
フライトプランとは、日本語で飛行計画と呼ばれています。
飛行ルート、高度、速度、燃料、搭載装備、機長の名前など、そのフライトに必要な情報が詰まっています。
小型機などはパイロットが自ら作成することが多いですが、旅客機のフライトプランは、会社(ディスパッチャー)が作成し、その便を担当する操縦士が目を通します。
飛行ルートなどは、会社があらかじめ指定したルートがいくつかあるので、ルート1など通常よく使われるルートが存在します。
飛行高度は、その機体の総重量や風向風速などにより上下します。
会社が作成したフライトプランで一番変更される項目は、燃料の項目でしょう。
あらかじめ機械で計算した燃料分と、ディスパッチャーが余分に必要だと思う分が加えて記載されていますが、実際に飛行機を飛ばすのは操縦士2名です。
ショーアップしてから、2人で天候や揺れなどを考慮して搭載燃料を決めます。
そこで多少の個人差があり、燃料はいつも安心分を多く搭載する操縦士もいれば、天候も良好でトラフィックも明らかに多くないと予想される時は、片道分ギリギリの燃料で出発する人もいます。(少しでも軽い方が燃費が良いため経費削減になる)
このフライトプランを作成する段階から話し合いを経て、フライトプランをファイルするまでにフライトプランの呼び方が3つあります。
それぞれを見ていきましょう。
3つのフライトプラン
まず始めに作成されるのが、①Dispatch Flight Planと呼ばれます。先ほど記載の通り、ディスパッチャー(運行管理者)が、パイロットがショーアップする時間前までに、フライトプランを作成します。
最近では、フライトプランはコンピューターで作成することが多いようです。
あらかじめ会社で使用する飛行ルートなどを登録しておき、必要に応じてルートと高度を選択したり、使用機材も登録しておくことで搭載装備や機番などの入力を省けますし、その他必要なことを入力すると一通り完成する仕組みです。
Dispatch Flight Planが完成すると、そのフライトプランをパイロットに届けます。
届ける方法はいろいろありますが、ディスパッチャーが印刷しておいてくれる場合もありますし、その会社のその日の全てのフライトのフライトプランが入っているフォルダに、担当するキャプテンの名前の元保存されていたり、プリンターに同じファイルがありそこから選択して印刷するという方法もあります。
わざわざ会社に出勤しないとフライトプランが見られないわけではなく、ネット上でフライトプランを見ることができるので、移動時間などに目を通しておき、選定されている飛行ルートや高度、燃料がそれで本当にいいのか、天気予報などと見比べて見当をつけておく人が多い気がします。
そして、ショーアップしてから操縦士同士で行われるブリーフィングでは、あらかじめ個人で確認しているので、必要最低限の確認だけして最短で燃料や高度選定を行います。
そうしてDispatch Flight Planに担当操縦士が目を通し、必要な時は修正したものを②Company Flight Planと呼びます。
ディスパッチャーは受け取ったフライトプランをファイル(提出)します。
これは航空法で決められているため提出が必要なのと、もし不測の事態が発生した時にはフライトプランをもとに、捜索救難活動が「SAR:Search and Rescue」によって行われます。
この提出されたフライプランのことを③ATC Flight Planと呼びます。
まとめ
このように、フライトプランはどの段階なのかで3つの呼び方があることがわかりました。
ディスパッチャーから操縦士2名まで、その便の安全のために手間や時間をかけて作成やチェックが行われています。
ちなみに、国内線では4レグをその日一気に担当することも多いので、4つのフライトプランを確認しなければなりません。
だらだらとチェックに時間をかけていては、いくら時間があってもたりませんし、初めの1レグ分だけの燃料を決めて、ATC Flight Planを作成してもらい、上空の水平飛行している比較的時間がある時に、実際の天気や揺れ具合なども含め判断し、2レグ目以降の搭載燃料を操縦士間で決め、FMSでディスパッチャーに飛ばすこともあります。
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