「90° Power-Off Approach」「180° Power-Off Approach」と見てきました。
エンジン故障をして近くの空港に向かったとき、高度処理をする必要がある可能性があります。
そんなときはなるべく着陸する場所から離れないようにし、360°旋回して高度をおろしていきます。
だんだんと高度が降りてきて、どのぐらいの高さになったらトラフィックパターンに入り、着陸形態を整えるか目安は立てられていますか?
事前に準備をしておかないと空港にたどり着いたものの、どのぐらいの高さになったらトラフィックパターンに入ればいいのかわからず、ファイナルアプローチが高くなり過ぎ滑走路内に接地できなくなってしまったり、逆に高度処理し過ぎて滑走路まで滑空距離が届かなくなってしまうことになりかねません。
ダウンウィンドレグとベースレグにキーポジションを作り、その場所を通過するときにはどの程度の高さで通過したらいいのか目安は持つといいでしょう。
今回は、そんな「360° Power-Off Approach」について見ていきましょう。
360° Power-Off Approach
「360° Power-Off Approach」は、名前の通り360°滑空旋回して着陸する事を指します。
上図のように着陸する滑走路の上でエンジン故障をを模擬します。
スロットルをアイドルにし、フラップは収納した状態を作ります。
高度は2,000ftかそれ以上にしてあげます。
正しいグライドスピードを維持して、ダウンウィンドのキーポイントまでミディアムバンク程度で旋回します。
ダウンウィンドのキーポジションを過ぎたあたりで、ランディングギアを降ろします。
ダウンウィンドのキーポジションは1,000ft〜1,200ftAGL程度で通過するとちょうどいい高さであるでしょう。
その後、ベースレグへと旋回を開始し、ベースレグのキーポジションを800ftを目安に通過します。
必要ならばフラップをフルに展開しますが、必ずしもフルフラップにする必要はありません。
ベースレグからファイナルレグへの旋回は、300ft AGLを切らないようにしましょう。
旋回中はリフトが分散するので、高度を大きく落としてしまうので注意が必要です。
Power-Off Approachをする中でよくあるエラー
- ダウンウィンドレグが着陸地点より遠すぎる
- 背風により押されるので、ダウンウィンドレグを伸ばし過ぎる
- ベースレグでの風への対応が悪い
- 滑空距離を伸ばそうとスキッドターンをしようとする
- ランディングギアを降ろし忘れる
- フラップやギアの展開が不十分
- エンジン故障を模擬しているのに、スロットル操作をしてしまう
- 決めた接地点に接地しようと無理やり機体をおろしてしまう
まとめ
「90° Power-Off Approach」「180° Power-Off Approach」「360° Power-Off Approach」と3つ見てきました。
単発ピストン機のエンジンが故障してしまうと、滑空して安全に着陸させるしか手立てがありません。
人間が作った機械はいつ壊れてもおかしくないので、いつ壊れてもいいように準備をしておかないといけないでしょう。
エンジン故障以外にも、燃料切れやプロペラの故障なども考えられるでしょう。
そんなときに、「Power-Off Approach」を練習しておくことで、最後の生死を分けることでしょう。
【参考文献】