【生理学】パイロットの疲労とパフォーマンスの関係について①
最近なんだか疲れていませんか?
疲労とパフォーマンスは切っても切れない関係性があります。
疲れた状態だと、高いパフォーマンスは発揮できなくなってしまい、パイロットが疲れた状態だと安全性にまで影響を与えます。
国内線のパイロットは、1日4レグ飛んだりと、ワークロードが高くて疲れがちです。
国際線のパイロットは、時差との戦いです。
さらに、クルーのスケジュールはシフト制を導入している航空会社が多く、生活のリズムが乱れやすいです。
また、パイロットのスケジュールは、多くのレグ数を飛ばないといけない日、夜間飛行、延着、早朝便など生活のリズムが崩れやすいです。
そして、天気が悪く揺れやすい日のフライトは、特に神経をすり減らします。
夜間飛行の後にアドレナリンが大量に放出される人は、フライト後になかなか寝付くことができません。
そして、次のフライトまでに完全なリカバリーができず、疲れを残した状態でまたフライトに向かうことになります。
疲れた脳
生活リズムが整った人の体内サイクルは、1日24時間程度です。
この24時間サイクルの中で、人間は「早朝」と「Mid-afternoon(15:00~16:00)」頃の2回眠気を感じるようになっています。
なので、午後に眠たくなるのは睡眠不足だからとかではなく、人間のメカニズムとしてしょうがないことなのです。
多くの人、動物や植物、菌類でさえもサーカディアン•リズムと呼ばれる体内時計を持っています。
しかし、このリズムは皆が24時間丁度でサイクルしている訳ではなく、一人一人違い約24〜28時間と幅があります。
多くの人は、体内時計が24時間以上あるので、この体内時計を調整してあげないと、どんどん生活リズムが実際の時計とずれていってしまいます。
規則正しい時間に起きて、朝日を浴びることにより体内時計はリセットされるといいます。
人の体内時計は、人間の芯の体温によって変化しているのです。
体の芯の温度が下がると、人は眠気を感じるようになります。
また、その時はパフォーマンスも低下してしまいます。
体内温度が下がると、特に次の2つのことに影響が出ます。
【体の芯の体温の低下による影響】
- 反応時間
- 注意力の散漫
時速900km以上の速さで飛行しているパイロットの反応時間が遅れると、飛行機は多くの距離を移動してしまいます。
また、注意力が散漫になってしまうと重大なミスの原因になります。
サーカディアン•リズムを整え、最高のパフォーマンスを出すには良い睡眠をとる方法が一番です。
良い睡眠をとることで、認知能力と活力が蘇ります。
睡眠のレギュラーパターンを作ってあげることで、きっちりとした睡眠をとることができ、活力とパフォーマンスの向上が見込めます。
活力を完全に戻すには、多くの人は1日8時間の睡眠が必要であると言われています。
【参考文献】
【次回予告】
次回は、睡眠時間とパフォーマンスの関係性について見ていきましょう。
あなたは、1日8時間以上の睡眠は取れていますか?
もし取れていないのであれば、かなりパフォーマンスが低下していることでしょう。
どの程度、パフォーマンスが下がってしまうのか一緒に見ていきましょう。
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