滑走路の状態は、いくつに分類されているか知っている?
滑走路の状態を気にした事がありますか?
晴れの日は乾燥していますし、雨が降れば濡れます。
寒ければ、雪が積もったり氷ができたりします。
このように、滑走路の状態は環境の影響を受け変化します。
雪の上を車がスリップするように、飛行機もスリップします。
まして、高速で離着陸するので滑ってしまってはとても危険です。
また、飛行機は風の影響を大きく受けます。
特に、滑りやすい滑走路での横風はとても危険です。
なので、FCOMでは滑走路で最大横風制限を変えています。
今回は滑走路のコンディションの定義を見ていきましょう。
滑走路のコンディション【12選】
- Dry:乾燥している状態。
- DAMP:滑走路が乾燥していないけど、表面が水膜でテカテカしていない状態。
- WET:滑走路の表面が水膜でテカテカしている状態。この水膜が3mmを超えないとハイドロプレーニング現象の重大な危険は及ばないでしょう。
- FROST:氷晶が滑走路についている状態。
- COMPACTED SNOW:機械を使って雪を押し固めて地面を滑らかにした状態。
- SLIPPERY WHEN WET:滑走路の一部もしくは全体が、規定された摩擦係数を得られないとき、NOTAMで報じられる。
- DRY SNOW:手で雪を握った時に、雪の塊とならずにさらさらとしていたら。風で飛ばされます。雪の密度は0.2kg/l(1.7 lb/ US Gal)です。
- WET SNOW:手で雪を握った時に、雪の塊となる状態。雪の密度は0.4kg/l(3.35lb/US Gal)です。
- STANDING WATER:大雨が降ったり、滑走路の排水能力が低く、滑走路の水膜が3mm以上の時。
- SLUSH:水を吸った雪の事です。5℃辺りでできやすく、密度は0.85kg/l(7.1lb/ US Gal)です。
- ICE (Cold and Dry):滑走路で氷が発生し、乾燥し冷たい状態。
- WET ICE:滑走路の氷が溶け始め、氷の上に水膜ができている状態。この状態では、とても滑りやすいので、ブレーキやステアリングコントロールが難しいか、最悪不可能な状態。
まとめ
滑走路の状態をいくつ知っていましたか?
まさか12種類もあるとは思わなかったのではないでしょうか?
次回、それぞれの滑走路の状態で横風制限はどの程度なのか見ていきたいと思います。
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【参考文献】
- A320 FCOM TOME 6 PER-LDG-CTA-20 P 1/2