【飛行機のエンジン】タービンエンジンを4つに分類できますか?

エクリプス 500 VLJ

タービンエンジンは、「吸気口」「コンプレッサー」「燃焼室」「タービン」「排気口」によって構成されています。

ジェットエンジンは、重さとパワーの比率がレシプロエンジンに比べて高いです。

アブガスではなく、ジェット燃料を使用することも違います。

飛行機のオペレーションコストを下げる為に、エンジンはより小さく軽くなるよう、多くの製造機メーカーがしのぎを削っています。

エンジンが小型で軽量化されることにより、3〜7人乗りのVLJs(Very Light Jets)と分類される飛行機も多く誕生し始めました。

タービンエンジンの分類

タービンエンジンは、どんなコンプレッサーを使用するかによって3つに分類する事が出来ます。

【Centrifugal Flow】
吸気された空気は、エンジンの外側(回転軸を中心に外側)へと押し出され圧縮さされるタイプ。

【Axial Flow】
回転するブレードと、回転しないブレードがエンジン内にあり、それらにより圧縮されるタイプ。

【Centrifugal-axial Flow】
上記の両方を備えたタイプ

の3タイプです。

Centrifugal = 「遠心」 Axial = 「軸の」

また、どのように取り込まれた空気がエンジンを通過するのかや、取り出されたエネルギーをどのように利用するかによって、エンジンは4つに分類する事が出来ます。

  • ターボジェットエンジン
  • ターボプロップエンジン
  • ターボファンエンジン
  • ターボシャフトエンジン

今回はターボジェットエンジンについて見ていきましょう。

ターボジェットエンジン

【概要】
ターボジェットエンジンは、「コンプレッサー」「燃焼室」「タービン」「排気」の4セクションに分類する事が出来ます。

吸気された空気はコンプレッサーにより勢いよく燃焼室に送られます。

燃焼室内で燃料が供給され、点火されます。

燃料が燃焼することにより、膨張します。

この膨張した力がエンジン後方のタービンを回します。

タービンはシャフトでコンプレッサーとつながっているので、より多く燃焼しより多く排出すると、より多くの空気を取り込み圧縮する事が可能になります。

この連続作用によって、エンジンは回転し続ける事が出来ます。

排気ガスは勢いよく後方に流され、この力が飛行機を前に押し出すスラストになります。

【ポイント】
ターボジェットエンジンは、燃料を多く消費するので、航続距離と時間に制限があります。

エンジンアイドルなどコンプレッサーの回転が遅い時は、スロットルの反応が遅い事が特徴です。

飛行速度と排気ガスの速度の差が大きすぎて、騒音が大きくなってしまったり、飛行効率が悪くなってしまいます。

ひと昔前の旅客機に多く採用されておりましたが、現在では燃費や騒音の問題から現在は軍用機に見られる程度になりました。

ターボプロップエンジン

【概要】
ターボプロップエンジンは、タービンで得られたエネルギーを、ギアボックスを介してプロペラを回します。

タービンの回転はとても速いので、プロペラの必要回転速度に合わせてギアボックスが減速させる役目をしています。

【ポイント】
ターボプロップエンジンは、レシプロエンジンとターボジェットエンジンの中間のようなエンジンタイプで、最も効率的な速度は217kts〜347kts(250mph〜400mph|402km/h〜643km/h)です。

飛行高度は18,000ft〜30,000ft(5,486m〜9,144m)です。

ターボジェットエンジンと比べて燃費が良く、テイクオフやランディングなど低速時にパフォーマンスが良くなる傾向があります。

一番燃費がいい高度は25,000ft程度です。

ターボファンエンジンと比べて、巡航高度が低くなるのでCBやTCUの高さが巡航高度をこえる天気の時などは、ターボジェットエンジンと比べて欠航が多くなってしまいます。

ターボファンエンジン

【概要】
ターボジェットエンジンとターボプロップエンジンの良いところを採用したのが、ターボファンエンジンです。

多くの旅客機で採用されているエンジンで、ターボジェットエンジンのような速度で飛行でき、ターボプロップのような燃費の良さが得られます。

【ポイント】
特徴として、吸気された気流が2手に分かれる事です。

1つの流れは、ターボジェットエンジンのように、圧縮され燃焼室に送られ、後方から勢いよく吐き出されスラスト効果を生み出します。

もう一方の流れは、エンジンの外側を包み込むようにゆっくりと後方に進みます。

この気流が2つに分かれる事を、「バイパス」とよび、割合がどのくらいであるか示したものを「バイパス比」として表記されます。

このエンジンを取り囲むように進む空気の膜のようなものが、「推力の増加」「エンジンを冷却」「騒音軽減」に役立ちます。

ターボシャフトエンジン

【概要】
ターボシャフトエンジンは、ジェットエンジンにより作り出されたエネルギーを、プロペラ以外のものに伝達し使用する特徴があります。

このエンジンは、「ヘリコプター」や旅客機の「APU」などによく採用されています。

【ポイント】
ターボジェットエンジンとターボシャフトエンジンの違いは、ターボシャフトエンジンは生み出された多くのエネルギーを水力に使うのに対して、ターボシャフトエンジンはエネルギーを推力に使わず、タービンで受け止めシャフトでほかに伝達する事です。

まとめ

タービンエンジンの分類を見てきました。

エンジンによって生み出されたエネルギーの使い道がそれぞれ違っており、それぞれのメリットとデメリットもあるようです。

今度飛行機に乗る時に、どのタイプのエンジンなのか分類する事ができるようになりましたね。

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【参考文献】