【パイロットになる】航空留学のススメ!
パイロットになる道で、一番最初に頭に思い浮かぶものはなんですか?
航空大学校に進む道ですか?
自社養成パイロットの道ですか?
どの道を進んでも間違いではないでしょう。
しかし、航空大学校に進むには高等専門学校を卒業するか、四年生大学で2年以上在学(短大卒業)程度まで進まなければ、受験できません。
自社養成パイロットは、四年生大学を卒業程度求められます。
もしあなたが、今高校卒業をしようとしていてパイロットを目指すのであれば、航空留学を考えてみてはいかがでしょうか?
アメリカの大学に進学して、その過程の中でパイロットの免許を取得することができます。
現在日本の私立大学が航空学部を設立しておりますが、その原型のようなものです。
しかも、アメリカの方が飛行機が短かにあるとため、飛行機のレンタル料金や燃料費が安上がりになります。
こちらはアメリカのカンザス州にある大学のフライト代金の一覧です。
K-State_Aviation_CostSheet1ページ目の左側真ん中あたりにある、「Flight Costs」をみてみてください。
ここには、FAAのパイロットの免許を取得する際の目安の時間と、その料金が書かれています。それぞれの英語の意味は、
- Private Pilot:自家用操縦士
- Instrument Pilot:計器証明
- Commercial Pilot:事業用操縦士
- Multi-engine:双発
です。自家用操縦士免許を取得する際の目安の時間は、44.5時間と記載されております。
その際の、予想料金は9,197ドルです。
9,197ドルを44.5時間で割ると1時間あたり、約207ドルとなります。
これは、飛行機のレンタルからインストラクターへの支払いも含めてです。
1ドル110円計算してみると、22,735円となります。
もっと探せばフライト料金の安い大学もたくさんあります。
この、1時間あたり22,735円を頭に入れて、日本で飛行すると1時間あたりいくらかかるのか比べてみると、その破格の安さがわかると思います。
航空留学のメリット
航空留学することのメリットは、3つあります。
- すぐに訓練が始められる
- 日本ではできない体験ができる
- 視野が広がる(国外も視野に入れた国際的パイロット)
1つ目は、望めばすぐにフライト訓練を始められることです。
アメリカの大学は、専攻を決めたら卒業までの単位がどのぐらい必要で、必須科目の指定が決まります。
なので、必須科目以外は文系・理系構わず自分で好きな授業を受講していいですし、基本指定がない限りどの授業から受けてもいいのです。
日本の私立大学に進むと一年時は座学で学んだ人が、二年時に海外に免許を取得しに行ったり、フライト訓練に入ることができるようになっています。
しかし、アメリカの大学は基本的に個人の自由なので、座学を受けつつ同時にフライト訓練を開始することができるのです。
何も知らない状態の生徒がただ椅子に座って、座学を受けていてもあまり実感がわかないと思います。
コックピットに実際に座って、どのような計器がコックピットについており、操縦桿の重さやその動きを実際に体験しながら、それがどのような仕組みになっているのかを座学で学んだ方が、理解しやすいことでしょう。
もちろん、座学でまず先に学んでから空を飛んでみたい人も、そのようにすることもできます。
なので、日本の大学に進んだ同級生がフライト訓練の座学を1年間やっていたり、航空大学校を受験するまでの2年間を過ごしている間に、フライト訓練を開始・終了し免許を取得してしまうことは十分にあり得るのです。
2つ目は、日本ではできない体験ができることです。
まず、低酸素症をご存知ですか?
知らない方は、過去の記事を参考にどうぞ!
旅客機のパイロットになるのであれば、高高度飛行は避けては通れません。
急減圧などで低酸素症にかかってしまう可能性もあります。
アメリカには、High Altitude Chamberと呼ばれる、実験施設があります。
これは、実際に低酸素症になったらどうなるのか体験できる施設です。
大きなカプセルのようなものに数人で入り、その中の空気をだんだんと抜いていきます。
カプセルの気圧高度がある程度の高さまできたら、生徒は酸素マスクを外します。
これが、飛行機が高高度を飛行中に与圧システムのトラブルで、機内の気圧が低くなってきたらどうなるのか模擬しているのです。
実運航で実験することはできないですし、シミュレーターでは低酸素症の模擬はできないです。
なので、大学のプログラムにもよりますが、低酸素症の体験ができることはとても大きな経験になることでしょう。
日本の現役のパイロットで、実際に低酸素症の実験などをしたことがある人は少ないです。
3つ目は、視野が広がることです。
アメリカなどの英語圏には海外から多くの留学生が訪れます。
その留学生同士のコミュニティーもできますし、国を超えた同世代の友人もできます。
アメリカはライト兄弟の活躍やボーイング社など、航空業界を先導しております。
日本やヨーロッパなどは、kgやkmを通常使用しますが、航空業界ではfeetやlbsなどを使用するのは、アメリカの影響が大きいと言えるでしょう。
そんなアメリカが発行しているパイロットライセンスを取得することが可能です。
世界的に見ても、FAAのパイロットライセンスを使用できる国が多いのはメリットであると言えるでしょう。
望めば同世代の友人と一緒に、国を超えて働くことも可能になるでしょう。
ルート
航空留学するには、大きく分けて2つのルートがあります。
- 高校から留学
- 大学から留学
まず、高校生になる年からアメリカに留学してしまうという手段があります。
アメリカの、High Schoolに入学することです。
日本では、自家用操縦士免許(飛行機)は17歳からしか取得ができないと法律で決まっております。
しかし、アメリカでは16歳から取得可能です。高校から進学し、免許だけ取得してしまうことも可能です。
さらに高校から留学することのメリットは、若ければ若いほど英語の習得が容易であることです。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」という言葉があるように、まだ若くて脳が柔らかいうちに留学すると、困難に立ち向かいやすいでしょう。また、言語の習得も比較的楽になるでしょう。
2つ目は、大学生から留学するパターンです。こちらの方が比較的人数が多い気がします。
高校2〜3年生で自分の将来を真剣に考え始める人が多いからではないでしょうか。
大学から留学にも、2種類あります。高校卒業後すぐに直接留学する人と、日本の短大などに行ってから、海外大学に編入する人です。
前者は、高校卒業後にある程度のTOEFLスコアや、日本の高校卒業時レベルの一般知識があれば入学が可能です。
また、周りに海外留学をする人がいなく心配な人は、日本の企業で海外進学を斡旋している会社もあります。
後者は、日本の大学の単位をアメリカに持っていくことが可能です。学んでいる大学や短大のレベルや信頼にもよりますが、全ての単位を持って行けたり何単位分だけ持っていくことが可能だったりします。
もし、日本で進学をしたけど何か物足りなかったり、海外に出て挑戦してみたいと思ったら編入を考えてみてもいいかもしれないですね。
注意点
注意点の1つ目は、挑戦の先には数多くの壁が立ちはだかるかもしれないです。
やはり何事も始めが一番大変です。
特に今まで日本の教育路線に乗っかってきたところから、海外の大学に進学するということで、路線から外れると心配や苦労が増えることでしょう。
勢いよく留学したのはいいですが、ホームシックにかかってしまうかもしれません。
しかし、得られることが多いのは事実です。
英語が堪能になったり、海外に出て問題解決能力が向上したり、見識を広げられたりなどです。
2つ目は、将来日本でパイロットを目指しているのであれば、FAAライセンスのままでは日本では使えません。
日本で飛ぶには日本のルールに従う必要があり、JCABライセンスに書き換える必要があります。
自家用操縦士免許までは学科試験(航空法規)だけで書き換えが可能ですが、それ以上になると実地試験を受けなければいけないこととなっております。
試験科目の一部免除などの制度はありますが、いきなり試験を受けて受かるほど甘いものではないでしょう。
日本の飛び方をある程度学んだ上で、受験をしなければいけないので出費がかさみます。
それに重ね、アメリカでのルールと日本のルールで多少違うところがあります。なので、一度アメリカで学んだことを、日本で飛ぶように頭を書き換えないといけないです。
しっかり整理しておかないと、どっちがどっちのルールだったのかごちゃ混ぜになりかねないです。
まとめ
世の中には、目的を叶えるために色々な方向からアプローチできます。
自分が選んだ道であれば、きっと後悔はしないはずです。
もし、何かにつまづいて諦めそうになっていたとしたら、他に道はないかなど模索してみると、意外と近場にヒントが転がっているかもしれません。
色々な困難を乗り越え挑戦し続けた人が、最後に笑える世の中なのかもしれないですね。
今回は、航空留学のススメについてご紹介しました。
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