【飛行機のエンジン】ピストンエンジンの分類

ピストンエンジンは、シリンダーの配置や、サイクル数、冷却の方法により分類する事ができます。

  • シリンダーの配置方法:Radial, 列状、V型、対向
  • サイクル:2サイクル or 4サイクル
  • 冷却の方法:空冷 or 水冷

星形エンジン|Radial

星形エンジン(Radial Engine)

星形エンジンは、第2次世界大戦の時多く使われていました。

また現在でも、このタイプのエンジンが使われている機体が残っています。

上図のように、シリンダーがクランクケースに対して円を描くように配置されています。

このエンジンの強みは、全体の重量に対して比較的強いパワーを生み出すことができる事です。

直列型|In-line

直列型エンジン 出典:YSSYguy

列状にエンジンを配置すると、機体前方がコンパクトになりコックピットからの見通しが良くなります。

デメリットとして、重さに対するパワーが弱い事です。

また、列状になっているので、進行方向に対して後方側に配置されているエンジンは、空冷却では、冷めにくいこともあげられます。

あまりに長いと冷却ができないので、4〜6シリンダーが限界です。

V型|V-type

V型エンジン

列状に配置した時と同じぐらい、機体前方をコンパクトにすることが可能です。

また、列状に並べた時よりも馬力が強くなります。

水平対向|Horizontally Opposed

水平対向エンジン

エンジンのデザインを追求していく事で生まれたのが、「水平対向エンジン」です。

現在多くの小型機では、この水平対向エンジンが使われています。

上図のように、左側にシリンダーが1つ付いたら、右側にシリンダーが1つ付きます。

なので、水平対向エンジンのシリンダーの数は偶数個になります。

水平対向エンジンは、クランクケースを比較的小さく作れるので、重さに対してパワーが強いです。

また、コンパクトに収まるので、機首を小さく設計する事ができ、コックピットから前方の見晴らしがいいだけでなく、飛行中の風の抵抗も小さくする事ができます。

このタイプのエンジンでは、2ストロークエンジンや4ストロークエンジンのどちらにも対応させる事ができるだけでなく、スパーク式や加圧式の点火方法もどちらも対応が可能です。

まとめ

ピストンエンジンと言っても、こんなにも多く分類できる事をご存知でしたか?

取り付け方を変えるだけで、得られるパワーが違ったり、デメリットがそれぞれのデザインにあったりと、エンジン設計は奥が深そうです。

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