【飛行機のエンジン】キャブレターシステムの分類
キャブレターシステムは、燃料の供給の仕方によって2つに分類されます:
- フロートタイプ
- 加圧タイプ
フロートタイプキャブレター
フロートタイプのキャブレターは、一般的に小型機に使われています。
フィルターを通した外気が管を通り、キャブレターの内部に一部通り道が細くなっているところまで進みます。
この細くなっている場所が、ベンチュリ効果を生み出し燃料を吸い上げます。(上図の左下)
ベンチュリ菅の法則 (Venturi Tube)
ここで燃料は霧状になり、取り込まれた空気と混ざりシリンダーに送られます。
シリンダー内で、加圧され燃焼をしてエネルギーを取り出し、排気されます。
フロートタイプの名前の由来は、英語の「Float」から来ていて、直訳すると「浮く」という意味です。
上図の右側のように、燃料タンク内に丸いウキがあります。
このウキには針のようなものが取り付けられており、ウキが上下する事でキャブレーターに送る燃料の量を調整しています。
多くの燃料でウキが浮いている状態だと、キャブレターに送る燃料を調整しているバルブを閉めます。
またエンジンが燃料を必要としている状態になると、またバルブは開きます。
燃料と空気の混合をどの程度シリンダーに送るかは、スロットルバルブというもので調整しています。
スロットルバルブの開閉は、コックピットでパイロットがスロットルの出し入れによって調整しています。
フロートタイプの欠点
フロートタイプのキャブレターシステムにはいくつかの決定的な欠点があります。
- 急激なマニューバーをすると、キャブレターが機能しなくなる時がある。
- 気圧が低い時はうまく空気と混合しづらい。
- アイシングを引き起こす可能性がある。
ベンチュリ効果を使用しているので、どうしても気圧が低くなるところに燃料の噴射口を作らないといけなく、気圧が低くなるところは温度が低くなるので、燃料の中の水分が凍りやすくなってしまいます。
加圧タイプキャブレター
加圧タイプのキャブレターは、燃料ポンプで燃料を大気圧よりも高い圧力に加圧し、吸気されシリンダーへと向かう空気に向け噴射します。
ベンチュリ効果を利用するよりも、こちらの人工的に加圧する方が燃焼効率が良くなります。
この加圧タイプは、小型機にはあまり使われておりません。
まとめ
キャブレーターシステムとインジェクションシステムがある中で、今回はキャブレターシステムを見てきました。
キャブレターシステムの中でも、フロートタイプと加圧タイプがある事がわかります。
キャブレターは古いシステムなので、今回見てきた欠点があるので、小型機でも最近のモデルにはあまり搭載されなくなってきました。
しかし、まだキャブレターシステムを搭載した小型機も数多く現役で存在するので、キャブレターシステムについて知っておいても損はないでしょう。
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