【飛行機のエンジン】ターボチャージャーとグラウンドブースティング

【飛行機のエンジン】ターボチャージャーとグラウンドブースティング

ターボチャージャーを使うメリットとして、地上と同じ気圧を上空でも発揮できるという点があります。

通常のマニフォールドは、29〜30″ Hg程度をある高度まで維持してくれます。

この高度は、ターボチャージャーの性能によって違いますが、29〜30″Hg保てる限界の高度を「Critical Altitude」と呼びます。

このターボチャージャーのCritical Altitude以上を飛行すると、マニフォールドプレッシャーが低下してエンジンの出力の低下が見込まれます。

一方、「グラウンドブースティング」という言葉をご存知ですか?

これは、ターボチャージャーを低高度で使い、通常の気圧29″Hgよりも高気圧にする使い方です。

この「グラウンドブースティング」機能を有した飛行機の場合、離陸出力で最大45″Hgまでブーストする事が可能です。

ターボチャージャーの「グラウンドブースティング」機能により、より高出力を発揮する事が可能になるのです。

圧力と気温

気圧と同様大切なものは、吸気される空気の温度です。

ターボチャージされると、気圧が高くなるので圧縮された空気の温度も高くなります。

温度が高くなると空気は膨張するので、せっかくターボチャージャーで圧力を高めてもその効果が多少薄れてしまいます。

空気密度が下がるという事は、出力できるパワーも減ってしまうという事です。

気温が寒い冬の運航や、高高度飛行では空気の温度も低いですが、真夏の赤道付近でのオペレーションになると、暑さは免れません。

なので、多くのターボチャージャーはマニフォールドプレッシャーで圧力を図るのでははなく、空気の密度を使用します。

圧縮された空気の密度を測り、その密度を自動的に同じ値になるようにコントロールする事により、いつでも同じ馬力を発揮する事ができる仕組みになっています。

もし、マニフォールドプレッシャーでコントロールしていると、気温の変化などで馬力がバラバラになり安定しなくなってしまう事でしょう。

 

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