【飛行機のエンジン】ターボチャージャーの動作特性
ターボチャージされているエンジンのスロットルは、ゆっくり動かしてあげなければいけません。
勢いよくスロットルを出し入れすると、RPMが急激に上がった時に、オーバーブーストしてしまい機体にダメージを与える可能性があるからです。
パワーセッティングを変える際には、慎重に行いエンジン音や体感だけでなく、エンジン計器も参考にしましょう。
ターボチャージされているエンジンでも、Waste Gateが開いているときは、ターボチャージされていないエンジンと同じ反応をします。
なので、パワーを足してRPMが増えた際、マニフォールドプレッシャーは若干減る傾向が現れます。
その逆に、RPMが減った場合、マニフォールドプレッシャーは上がるという法則が成り立ちます。
しかし、もしWaste Gateが閉じていたら、この逆の現象が起きます。
RPMがあがれば、マニフォールドプレッシャーも上がります。(その逆も起こります。)
Waste Gateが閉じる高度(臨海高度付近)を飛行している際に、パワーセッティングを変えたり、風向風速が変わっていないにもかかわらず、対気速度に変化があったら、マニフォールドプレッシャーに変化があった兆候です。
これは、対気速度が上がればラムてエアの圧力も上がり、結果マニフォールドプレッシャーも上がります。
マニフォールドプレッシャーが上がれば、エンジンへの空気質量も増え、RPMも上がり、さらなるマニフォールドプレッシャーの増加につながる連鎖が引き起こります。
ベイパーロック
多くの高高度飛行をするピストンエンジンに、ターボチャージャーは取り付けられます。
高高度飛行や夏の暑い日のオペレーションでは、航空機燃料がシリンダーに達する前に気化する事があります。
この現象を「ベイパーロック」と呼びます。
燃料をエンジンまで届けるためのポンプは、「吸引式」と「押し出し式」の2種類に分ける事ができます。
ベイパーロックが引き起こると、吸引するタイプの燃料ポンプは使い物にならなくなってしまいます。
多くのエンジン駆動の燃料ポンプは吸引式を採用している事が多いです。
もし、ベイパーロックが「燃料タンク」と「燃料ポンプ」の間で発生したのであれば、まだ燃料が気化する前の燃料を、ブーストポンプ(押し出し式のポンプ)などで押し出してあげる必要があります。
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