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【キャブレーターシステム】ミクスチャー操作とEGTの関係性とは!?

バロンのミクスチャー

【キャブレーターシステム】ミクスチャー操作とEGTの関係性とは!?

上の写真の一番右側の赤色のレバーは、何を調整するレバーかご存知ですか?

これは、ミクスチャーをコントロールするレバーです。

今回は、このレーバーはどういう時に操作するのか見ていきましょう。

降下中のミクスチャーの調節

キャブレターシステムは、ミクスチャーをフルリッチの状態の時、海面と同じ気圧になるように設定されています。

しかし、飛行機が高度を上げて行くとだんだんとキャブレターに入る空気密度が下がっていきます。

ミクスチャーを触らない限り、燃料の供給量は変わりません。

なので、セッティングを変えない限り、どんどん燃料供給が過多になっていき、エンジンがガタツキ出力が低下していきます。

このガタツキはスパークプラグの汚損が原因で、ブラグにカーボンが通常よりも多く付着してしまう為です。

これは燃料供給が多くなりすぎることで、シリンダー内の温度が低下し、燃料が燃えきらない事が原因です。

これと同じ現象は、高高度に位置する空港でエンジンランナップをするときに起こりやすいです。

また、上昇中や高高度のクルーズ中にも引き起こります。

燃料と空気の混合比を正しく保つには、コックピットにあるミクスチャーコントロールを使い、燃料供給量を減らしてあげる必要があります。

ミクスチャーによって燃料供給料を減らすことを「リーン|Lean」と呼び、増やすことを「エンリッチ|Enrich」と呼びます。

具体的な使い方としては、ミクスチャーをリーンしてというように使い、この時燃料供給を減らすということです。

上昇中のミクスチャーの調節

今度は逆に、ミクスチャーを調整せずに、高高度飛行から目的地空港へ降下して行く時を見ていきましょう。

高度を下げて行くと、だんだんと低高度になるにつれて空気密度が高くなります。

しかし、ミクスチャーを調節していないので燃料供給料は変わりません。

なので、燃やす酸素は増えているのに、供給される燃料が同じ量であれば、だんだんと燃料と空気の混合比はリーン側に傾いていってしまう事がわかります。

ミクスチャーをリーン側にしすぎると、デトネーションを引き起こしてしまいます。

デトネーションを引き起こすと:

  • エンジン回転がラフになる
  • オーバーヒート
  • パワーロス

につながります。

燃料と空気混合比の調整方法

燃料と空気の混合比の最適な状態を探る方法は、エンジンの温度を見張ることです。

先ほど触れたように、ミクスチャーがエンリッチ側に傾くと、エンジン温度は下がり、逆にリーン側に傾くと高温になります。

エンジンの温度はEGTなどで知る事ができます。

厳密には、EGTはExhast Gas Temperatureなので、排気ガスの温度ですが、シリンダー内に温度計がない事が多いこともあり、EGTの温度で十分代用する事が可能です。

この性質を利用して、予めAFMやPOHなどで一番燃費効率がいい燃料と空気の混合比の時のEGTなどの温度を頭に入れておく事で、その基準より高温か低温かによって、リーン側かリッチ側のどちらに傾いているのか見当をつける事ができます。

ちなみにC172モデルのPOHによると、クルーズでのEGTセッティングは:

  • おすすめ:ピークEGTから50°リッチ側
  • 最も経済的:ピークEGT

まとめ

スロットル以外にも、エンジンに関係するレバーがついている事がわかりました。

燃料は供給すればするほどパワーが得られるわけではありません。

最近では、ミクスチャー操作を、パイロットがしなくてもいいようになった機体もあります。

パイロットのワークロードを削る流れができているからです。

今後、全て機械によって混合比が調整されるようになっても、今回のミクスチャーセッティングと、エンジン温度変化の法則を知っておいて損はないでしょう。

ちなみに、いろいろな機体が世界中にあると思いますが、赤色のレバーがミクスチャーである事は、国際的に決まっていて間違わないようになっています。

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【参考文献】

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