【航空機事故】ハドソン川の奇跡 | US Airways1549便不時着水事故

【航空機事故】ハドソン川の奇跡 | US Airways1549便不時着水事故

今回はハドソン川の奇跡として映画などにもなった、有名な事故:USエアウェイズ1549便の不時着水事故について見て行きましょう。

概要

  • 日付:2009年1月15日
  • 航空会社:USエアウェイズ
  • 使用機材:エアバス式A320-214 (N106US)
  • 出発地:ニューヨーク州ラガーディア空港
  • 目的地:ノースカロライナ州シャーロット•ダグラス国際空港経由ワシントン州シアトル•タコマ国際空港行き
  • 乗員:
    • 機長:チェズレイ•サレンバーガーさん(57歳男性)
    • 副操縦士:ジェフリー•B•スカイルズさん (54歳男性)
    • 客室乗務員:3名
  • 乗客:150名
  • 犠牲者:なし

USエアウェイズ1549便は、2009年1月15日現地時刻15:26分にニューヨーク州のラガーディア空港を出発しました。

離陸直後の上昇中に、両エンジンがバードストライクで停止してしまいました。鳥の種類は、カナダガンという体調75cmから110cmほどになる大型の鳥で、1匹最大で8kgにもなります。

カナダガンはアメリカ北部に多く生息し、五大湖近くで多く生息しています。
By Ken Billington – CC by 3.0

USエアウェイズ1549便は、初めはテターボロ空港に向かおうとしましたが、滑空では距離が足りずハドソン川に不時着水することにしました。

こちらが実際の飛行ルートです。

By S. Bollmann – CC by 3.0

この時の犠牲者は奇跡的にも0人でした。人口が密集しているニューヨークの地で、地上の人も機内の人も誰も犠牲者を出すことがなかったので、これがハドソン川の奇跡と呼ばれる理由です。

なぜ対応できたのか?

後のインタビューでわかったことは、機長は普段から緊急事態のイメージトレーニングをしていたそうです。

両エンジンが止まることは滅多にないことなのです。さらに、機長は過去の事故の勉強をし、自分ならどうするかなど研究をしていたそうです。

なので、今回両エンジンが止まってしまった時も、自分なら犠牲者を出すことなく着陸(水)させることができるという自信があったそうです。

まとめ

1匹最大8kgにもなる鳥が、群れをなして空を飛んでいるのはとても怖いです。エンジンに吸い込まれて前方のブレードが破損すると、それがさらに後ろに吸い込まれていき、さらに内側のブレードや部品を破壊して、エンジン内部をボロボロにしていきます。

また、エンジンだけでなく窓ガラスに当たってもヒビが入ったりしてしまったり、機体を凹ましてしまうこともあるでしょう。

過去には、バードストライクでコックピットの窓を鳥が貫通してしまい、機長の顔面に重傷を負わせたこともあるぐらい威力があります。

現在の旅客機は双発機が多いです。もし、どちらからのエンジンが正常に動いていたら飛行機の性能としても、安全に着陸させるために十分なパワーがあります。

また、パイロットも片方のエンジンが故障した時の対処の訓練も定期的に行なっております。なので、片方のエンジンだけなら慣れている人が多い中、低高度で両エンジンが止まるという事態を適切に対処するには、普段からの準備がいかに大切かがわかると思います。

さらに、今回の場合は離陸直後にバードストライクをしたため、残された時間が3分ちょっととほんのわずかしでした。

この間に状況を把握し、ベストな着陸(水)ポイントを見つけなければいけなかったのです。

どうしたらいいのか迷っていたりあたふたしていると、あっという間に過ぎてしまう時間でしょう。

さらに、着陸ではなく着水なのでより難易度が高いです。地面とは違い、水面には波やうねりがありタイミングよく着水しないと抵抗が大きくなり、飛行機が最悪バラバラになってしまいます。

今回の事故で学んだことは、パイロットは乗客の命を守るために普段から訓練を真摯に行い、過去の事例から学べるだけ学び、自分なりの対応策を考えておくことで、最後の一瞬の判断や自信に繋がり、望んでいる結果を得やすくしてくれるということでした。

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【参考文献】

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