【航空機事故】アメリカン航空587便墜落事故について

【航空機事故】アメリカン航空587便墜落事故について

概要

  • 日付:2001年11月12日
  • 航空会社:アメリカン航空
  • 使用機材:A300-605R(機番:N14053)
  • 乗員乗客:
  • 乗員:9名
    • 機長:42歳男性
    • 副操縦士:34歳男性
  • 乗客:251名
  • 犠牲者:265名(搭乗者全員及び地上5名)
  • 出発地:ジョン•F•ケネディ国際空港(アメリカ)
  • 目的地:ラス•アメリカす国際空港(ドミニカ共和国)

アメリカン航空587便は、現地時刻午前9時すぎにニューヨークのジョン•F•ケネディ国際空港を離陸して、ドミニカ共和国のラス•アメリカす国際空港に向かう予定でした。

出発空港の天候は、310/11kt, VIS10smで、4,300ftに僅かな雲がある程度で、比較的穏やかな天候でした。

RWY31Lから離陸予定で、FMSのセットアップや地上走行を開始しました。

RWY31Lで1機前を離陸したのが、日本航空47便(JL47)でした。

JL47便は、B747-400型機で後方乱気流区分は「H:Heavy」に分類されます。

先行機のB747と後続機A300との離陸の管制間隔は、2分必要です。

ATCは先行機の後方乱気流の注意を促し、AA587便に離陸許可を出しました。

AA587便は離陸滑走をし、午前9時14分29秒に離陸しました。

この時、先行機との時間差は1分40秒ほどしかあいておりませんでした。

AA587便の飛行ルートは先行機と同じで、離陸後左旋回をとりました。

Landing GearやTake-off Flapsを格納し、ATCとコンタクトを取り、13,000ftまでの情報指示が来ました。

離陸約1分後、AA587便は、先行機の後方乱気流に2回遭遇します。

1回目は、それほど大きいものではなく、二人の操縦士も先行機の後方乱気流の影響で機体が揺れていることを認識しておりました。

その直後2回目の揺れがやってきて、副操縦士が操縦を担当していたので、操縦桿を左右に激しく降り機体を立て直そうとしておりました。

さらに、ラダーペダルも左右踏み替え、それぞれ最大限まで踏み込むほどでした。

これにより、AA587便は左右に大きく揺れ、ラダーにとても大きな力が加わりました。

機体を設計する上で、「制限荷重」と「終極荷重」の2つの荷重が大切です。

制限荷重:飛行中に機体にかかる予想される最大の荷重。
終極荷重:制限荷重を1.5倍して、安全のマージンを加えたもの。

今回副操縦士が、限界までラダーペダルを踏み込んだことにより、A300のラダーの制限荷重倍数の約2倍もの力が加わってしまいました。
これにより、ラダーは上空でヒンジから破損し、操縦不能となってしまいました。

事故原因

事故調査委員会は、事故の原因は、「エアバスのラダーの設計」「アメリカン航空の訓練プログラム」「副操縦士のラダー操作」だと結論づけました。

もしラダーを最大まで踏み込まなければ終極荷重を超えることはなく、飛行機は後方乱気流を抜け出し、安定した飛行に戻れたと判断しております。

まとめ

後方乱気流は目には見えない空気の渦ですが、侮ってはいけません。

自分の先行機が大きくて重たいと、後方乱気流も強くなるのでより細心の注意が必要になります。

たらればになりますが、もし今回副操縦士がラダー操作を優しくしていれば、AA587便は墜落に追い込まれずに済んでいたかもしれません。

アメリカン航空の訓練プログラムで、低速飛行時にラダーペダルを左右大きく踏み変える必要があるプログラムが提供されていました。

これにより、副操縦士は大きくラダーペダルを踏み替えて飛行機を安定させようと試みしてしまいました。

また、もしラダーの制限荷重を大きくしていたり、1分40秒ではなく、2分以上先行機と管制間隔を取っていたら、また違った結果が待っていたかもしれないですね。

このように、後方乱気流によって事故は実際に引き起こされている事や、幾つもの小さい現象が重なり、大きな事故が起きてしまうことを学びました。

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【参考文献】



エアラインパイロットのための航空事故防止 1