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【航空機事故】ニュージーランド航空901便墜落事故について

ニュージーランド航空 DC-10 By Eduard Marmet

【航空機事故】ニュージーランド航空901便墜落事故について

概要

  • 日付:1979年11月28日
  • 航空会社:ニュージーランド航空
  • 使用機材:マクドネル•ダグラス DC-10-30(機番:ZK-NZP)
  • 乗員:20名
    • 機長:Mr. Jim Collins(総飛行時間:11,151時間)
    • 副操縦士1:Mr. Greg Cassin(総飛行時間:7,934時間)
    • 副操縦士2:事故当時コックピット内におらず
    • 操縦機関士1:(総飛行時間:10,866時間)
    • 操縦機関士2:(総飛行時間:6,468時間)
  • 乗客:237名
  • 犠牲者:257名(全員)
  • 出発地:オークランド国際空港
  • 経由地:クライストチャーチ国際空港
  • 目的地:オークランド国際空港
  • 事故現場:南極・エレバス山

ニュージーランド航空は、南極大陸にあるロス島のエレバス山の上空を低空飛行する、遊覧飛行を1977年から1979年まで行なっておりました。

不定期便として運行しており、毎年夏頃に行われ、事故のあった1979年 11月は4回の遊覧飛行が行われました。

飛行ルートは、オークランド国際空港を出発し、エレバス山の上空で遊覧飛行を行い、クライストチャーチ国際空港に着陸をして、オークランド国際空港に引き返す予定でした。

操縦士達は事前に、フライトシミュレーターを使って南極大陸上空を飛行する訓練を受けておりました。

通常の計器では南極点付近では作動しないものもあるので、グリッド航法など通常日本の付近などで飛行する際には使わない特別な航法になれる為の訓練も併せて行われました。

総飛行時間は、約11間に及ぶ長時間フライトでした。

エレバス山はロス島(Rossinsel)にあり、ほぼ富士山と標高が同じで標高3,794m(12,448ft)あります。

このエレバス山の周辺を高度数百メートルで飛行することが、この観光便の目玉とされていました。

ニュージーランド航空901便は、現地時刻午前8:17分にオークランド空港を離陸しました。
エレバス山付近で、ニュージーランド航空901便は8の字を描きながら、有視界飛行で雲の合間を縫って降下して行きました。

10,000ftから2,000ftまで降りていき、ロス島上空は雲が立ち込めており、雲底は2,000〜3,000ftほどだったので、雲の下に完全に出るために1,500ftまで降下しました。

この時、操縦士たちはエレバス山へのアプローチの際のMSA 16,000ftとエレバス山の南側のMSA 6,000ftを守っていませんでした。

エレバス山の南側の雲底は7,000ft程ありました。

両操縦士は、ブリーフィングでエレバス山近くを管轄するアメリカのATCの許可を得たら、どの高度まで降下しても問題ないことを確認しておりました。

この日、ATCのレーダーにニュージーランド901便は捉えられず、低く飛行しすぎていたせいかVHFコミュニケーションも途切れ途切れになっておりました。

また、McMurdoのTACANからDMEで計測しようとしても、正しい距離を示してくれませんでした。

この時、ニュージーランド航空901便はホワイトアウトに遭遇していた可能性が高いのです。

ホワイトアウトとは、雲や雪などにより目の前が真っ白となり、計器なしでは自分がどこを飛んでいるのか、どちらが上なのかわからなくなってしまうこともあり、人間に錯覚を起こさせやすいとても怖いものです。

12:49分にGPWSが発動し、”Whoop Whoop, Pull Up. Whoop Whoop…”とコックピットに鳴り響きました。

操縦士たちは、警報後直ちに手順通りに回避操作に移りましたが、間に合わず、約1,467ft AMSL (447m)の高さでエレバス山の山腹に激突してしまいました。

事故原因

事故調査には、ニュージーランド運輸省に加え、アメリカの「NTSB」「FAA」「マグドネル・ダグラス社(使用されていた機体の製造会社)」「ゼネラル・エレクトリくす(使用機に搭載されていたエンジンメーカー)」も協力して行われました。

その後、ニュージーランド運輸省が発表する調査報告書の前に、口合わせをした可能性があるとされ、ニュージーランド王立調査委員会も調査を行いました。

調査結果によると、自機の位置の確認ができない状態で低高度飛行をした機長に責任があるとされました。

先が見えた状況で飛行し、その先に急激にそびえ立つ山肌が確認できたら、回避操作も間に合ったという見解です。

今回は、飛行機には何も問題はなかった為、CFITと分類されました。

まとめ

もし〜がなければということ言ってもしょうがないですが、「もし、決められたMSA以下に降りていなければ」「もし、回避操作をもっと早く行なっていれば」「もし、ホワイトアウトがなければ」などが挙げられるでしょうか。

スイスチーズモデルでも触れましたが、事故はまさかがつながったときに引きおこってしまいます。

人間は環境には勝てないので、人間が決められた範囲を超えないように、「やってはいけないことをやらないこと」「間違いかけたら周りやルールでカバー」が大切でしょう。

今回は、ニュージーランド航空901便のCFITによる墜落事故について、ご紹介しました。

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【参考文献】

パーフェクトスーツファクトリー

エアラインパイロットのための航空事故防止 1
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