【航空機事故】アメリカン・インターナショナル航空808便墜落事故について
概要
- 日付:1993年8月18日
- 航空会社:アメリカン・インターナショナル航空
- 使用機材:ダグラス DC-8-61F(機番:N814CK)
- 乗員:3名
- 乗客:0名
- 犠牲者:なし(重傷者3名)
- 出発地:チェンバーズ海軍基地
- 目的地:リーワード・ポイント飛行場:RWY10/28 (8,000ft x 200ft (2,438m x 61m)
アメリカン・インターナショナル航空808便は、不定期便でアメリカ軍との契約で運航されておりました。
現地時刻14:13分に離陸し、32,000ftでクルーズを行い、アメリカ海軍のリーワード・ポイント飛行場にアプローチを行なっておりました。
RWY 28にアプローチを要求しておりましたが、数分後にRWY10に変更し、16:46分に管制官から着陸許可を得ていました。
目的地空港の天候は、VMCを維持しており、風向風速は、Wind 200/7と天候的に特に問題はありませんでした。
アメリカン・インターナショナル航空808便は、右に急旋回しながらRWY10にアラインし、 300ft〜200ftで、主翼が機種が上がり始め、右側の翼が先に失速し、そのため右に大きく90度傾き、RWY10の手前430m (0.23nm|1,400ft)の地点に墜落してしまいました。
事故原因
事故調査委員会(NTSB)の報告によると、事故の原因は:
- 判断力の低下
- 意思決定力の悪さ
- 機長の飛行能力の低さ
を上げました。
操縦士達は、急旋回中に対気速度の低下に気がつく事ができませんでした。
また、失速後も迅速で適切な処置ができず墜落してしまいました。
この「機長の飛行能力の低さ」の根本は、パイロットの疲労から来ているものも大きく問題視されました。
事故墜落当時、パイロット達のDuty Timeは18時間に及んでおり、約9時間飛行しておりました。
目的地到着後も、会社は同じクルーにその機体をアトランタへフェリーフライトするように意図しておりました。
実際に行われていると、拘束時間は24時間にも及び、フライト時間は合計12時間にも及ぶ予定でした。
アメリカの法律 14 CFR, Section 121.505によると、アメリカのパイロットは航空法で24時間以内に、8時間以上のフライト時間か、16時間以上の拘束時間を超えてはいけないとされています。
その後に控えていたアトランタへのフライトは、フェリーフライトだったので、航空法14 CFR, Part 91が適用され、操縦士の飛行時間の制限は実質規定されなくなります。
先ほどのフライト時間の制限はPart 91では適用されないので、現実的にはどんなにパイロットを拘束しても会社側は法律違反にはなりません。
この法律の穴をつき、会社はパイロットを長く拘束・飛行させる事ができます。
まとめ
いくら法律の穴があって、それを利用して運航をしても事故を起こしてしまってはしょうがないです。
パイロットを長く拘束するのであれば、疲労は必ず溜まっていきます。
適用する法律を変えたとしても、休まないと疲労はリセットされません。
いかに、パイロットの拘束時間と疲労の蓄積の有無が安全運航に影響を与えるのか知る、いい出来事となったのではないでしょうか。
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【参考記事】
- NTSB Report A94_105_107
- 「アメリカン・インターナショナル航空808便墜落事故」(2019年4月18日 (木) 02:43 UTCの版)『ウィキペディア日本語版・英語版』